この記事は、行政書士久遠事務所の代表が執筆しています。当事務所代表は、シーシャバーでの現場経験を持つ行政書士です。風俗営業許可・たばこ販売許可・古物商許可・飲食店営業許可を中心に、シーシャ・水たばこ業態の開業支援を専門としています。
シーシャ業態の物販というと、まずフレーバー(水たばこ)の販売を思い浮かべる方が多いですが、もう一つ見落とされがちなのがシーシャ機材(パイプ本体・ボウル・ホース・トングなど)の物販です。
「シーシャの機材ならただの雑貨扱いだから許可は要らないだろう」と考えてしまいがちですが、実は扱い方によっては古物商許可が必要になるケースがあります。この記事では、シーシャ機材を売るときにどんな場合に古物商許可が要るのか・要らないのかを、警察庁・警視庁の公式情報をもとに整理します。
なお、シーシャのフレーバーそのものの販売許可については別記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。【シーシャのフレーバーは販売できる?物販・持ち帰りの許可を解説】
制度の目的は、盗品の流通を防ぎ、万一盗品が市場に出回った場合に警察が早期に発見できるようにすることにあります。古物商の保護のための制度ではない、という点がポイントです。
ここでいう「古物」とは、一度使用された物品、使用されないが使用のために取引された物品、またはこれらに幾分の手入れをしたものを指します。つまり一度でも誰かの手に渡った中古品が「古物」に当たります。
まず、許可が不要なパターンから押さえましょう。シーシャ店が物販を始めるとき、実はこちらに当てはまることが多いです。
メーカーや卸売業者、小売店から新品のシーシャ機材を直接仕入れて販売する場合、古物商許可は不要です。新品を仕入れて売る行為は「古物営業」に当たらないためです。
多くのシーシャ店が行っている「新品のパイプやボウルを店頭・通販で販売する」物販は、基本的にこのパターンに収まります。
販売者自身が海外で買い付けて日本に輸入したものを売るだけであれば、古物商許可は不要です。古物営業法は日本国内に流通している古物を対象とする法律であり、海外で流通していた物には適用されないためです。
【実務上のポイント】
シーシャ機材は海外ブランドが多く、店舗が独自に海外から本体やボウルを直輸入して店頭で売る、というのはよくある形です。自分で輸入した新品を売るだけならこのルートで問題ありません。ただし「他の輸入業者が入れた物を国内で買い取って売る」となると話が変わってきます。ここを混同している方が意外と多い印象です。
一方、次のような場合には古物商許可が必要になります。シーシャ店が物販の幅を広げようとすると、知らず知らずこちらに踏み込んでいることがあるので注意が必要です。
他店から中古のパイプ・ボウル等を買い取り、それを再販する場合は古物商許可が必要です。中古品の買取・再販はまさに古物営業の中心的な行為だからです。
買い取り・交換によって売主に何らかの利益が生じる形であれば、許可が必要になります。逆に、完全に無償で引き取った物を売る場合は許可は不要とされていますが、実務上は線引きが微妙なので注意が必要です。
同じ「輸入品」でも、自分で輸入するのではなく、他の業者が輸入したシーシャ機材を日本国内で買い取って(仕入れて)売る場合は、古物商許可が必要です。国内で買い取る時点で、盗品など被害品が混在する可能性があるためです。
中古のシーシャ機材を買い取ってレンタルに使う場合も許可が必要です。ただし、メーカーや販売店から新品を購入してレンタルする場合は不要です。
【実務上のポイント】自分が店で使っていた機材を「売るだけ」なら?
古物を「売却することのみ」を行う営業は古物営業に当たらないとされています。自分が使っていた機材を手放すだけなら許可は不要です。ただし、これを継続的・反復的に、かつ買い取りとセットで行うようになると古物営業と判断される可能性が出てきます。
| 物販のパターン | 古物商許可 |
|---|---|
| メーカー・卸から新品を仕入れて売る | 不要 |
| 自分で海外から輸入した新品を売る | 不要 |
| 中古機材を買い取って再販する | 必要 |
| 他社が輸入した機材を国内で買い取って売る | 必要 |
| 中古機材を仕入れてレンタルする | 必要 |
古物商許可が必要なのに取得せず中古品の売買を行うと、古物営業法違反となり、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。さらに処罰を受けると、その後一定期間は新たに許可を取得できなくなる場合もあります。
「中古機材も少し扱うかもしれない」という程度でも、買い取りを伴う以上はリスクがあります。物販の幅を広げる可能性があるなら、先に取得しておく方が安心です。
申請の基本的な流れと費用感は次のとおりです。
・申請先:営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課(防犯係)を経由し、都道府県公安委員会へ
・手数料:19,000円(不許可・取下げでも返還されません)
・審査期間:おおむね40日程度
・営業所ごとに「管理者」を1名選任する必要あり
・取り扱う品目は13品目から選択(シーシャ機材は「道具類」が中心)
取得後は、中古品を買い取る際の相手方の本人確認(住所・氏名・職業・年齢の確認)や、取引を記録する古物台帳の備付け・3年間保存といった義務も生じます。
シーシャ機材の物販における古物商許可の要否を整理します。
・新品をメーカー・卸から仕入れて売る/自分で輸入して売るだけなら不要
・中古機材の買取・再販、他社輸入品の国内買取販売、中古品のレンタルは許可が必要
・無許可営業には懲役・罰金のリスクがある
・中古を扱う可能性があるなら、先に取得しておくのが安全
シーシャ機材の物販は、新品中心であれば許可不要で気軽に始められますが、「中古の買い取り」が一つでも入ると古物商許可の世界に入ります。自店の物販がどちら側にあるのかを、開業前・物販拡大前に確認しておきましょう。
シーシャの開業・物販の許可についてご相談ください
行政書士久遠事務所では、シーシャバーの現場経験を持つ行政書士が、フレーバー販売・たばこ販売許可・飲食店営業許可・風俗営業許可まで一貫してサポートします。「自分の店はどの許可が必要か」「物販を足したいが大丈夫か」など、お気軽にご相談ください。
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