シーシャ機材の物販に古物商許可は必要?要る場合と要らない場合

この記事を書いた人/行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県稲沢市を拠点に、シーシャバーの開業支援を取り扱っています。約2年半のシーシャバー勤務経験があります。


シーシャ業態の物販というと、まずフレーバーの販売を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、もう一つ見落とされがちなのが機材(パイプ本体・ボウル・ホース・トングなど)の物販です。
ポイントは、「機材はただの雑貨だから許可は不要」とは限らないことです。扱い方によっては古物商許可が必要になります。


この記事では、どのような場合に許可が要り、どのような場合に要らないのかを整理します。フレーバーの販売についてはシーシャのフレーバーは販売できるかの記事をご覧ください。



古物商許可とは    WHAT

古物商許可は、中古品などの「古物」を営利目的で継続的に売買・交換・委託販売する際に必要な、公安委員会の許可です。


制度の目的は、盗品の流通を防ぎ、万一市場に出回った場合に早期に発見できるようにすることにあります。


ここでいう「古物」とは、一度使用された物品、使用されていないが使用のために取引された物品、またはこれらに手入れをしたものを指します。つまり、一度でも誰かの手に渡ったものが古物にあたります。


許可が「要らない」ケース    NOT NEEDED

シーシャ店が物販を始めるとき、実はこちらに当てはまることが多くあります。


①メーカー・卸から新品を仕入れて売る

メーカーや卸売業者から新品を直接仕入れて販売する場合、古物商許可は不要です。新品を仕入れて売る行為は古物営業にあたりません。


多くのシーシャ店が行っている「新品のパイプやボウルを店頭で販売する」物販は、基本的にこちらです。


②自分で海外から輸入した新品を売る

販売者自身が海外で買い付けて輸入したものを売るだけであれば、許可は不要です。古物営業法は国内に流通している古物を対象としているためです。


【実務上のポイント】
シーシャ機材は海外ブランドが多く、店舗が独自に本体やボウルを直輸入して店頭で売る形はよくあります。自分で輸入した新品を売るだけなら問題ありません。
ただし「他の輸入業者が入れたものを国内で買い取って売る」となると、話が変わります。ここを混同している方が意外と多くいます。


許可が「必要」なケース    NEEDED

物販の幅を広げようとすると、知らないうちにこちら側に踏み込んでいることがあります。


①中古の機材を買い取って売る

他店や客から中古のパイプ・ボウル等を買い取り、それを再販する場合は古物商許可が必要です。中古品の買取と再販は、古物営業の中心的な行為です。


②他社が輸入した機材を国内で買い取って売る

同じ輸入品でも、自分で輸入するのではなく、他の業者が輸入したものを国内で買い取って売る場合は許可が必要です。国内で買い取る時点で、被害品が混在する可能性があるためです。


③中古機材を仕入れてレンタルする

中古の機材を買い取ってレンタルに使う場合も許可が必要です。ただし、新品を購入してレンタルする場合は不要です。


自分が使っていた機材を「売るだけ」なら

古物を売却することのみを行う営業は、古物営業にあたらないとされています。店で使っていた機材を手放すだけなら許可は不要です。
ただし、これを継続的・反復的に、かつ買い取りとセットで行うようになると、古物営業と判断される可能性が出てきます。


パターン別の早見表    TABLE


物販のパターン 古物商許可
メーカー・卸から新品を仕入れて売る 不要
自分で海外から輸入した新品を売る 不要
自分の店で使っていた機材を売るだけ 不要
中古機材を買い取って再販する 必要
他社が輸入した機材を国内で買い取って売る 必要
中古機材を仕入れてレンタルする 必要


無許可で中古品を売った場合    PENALTY

許可が必要なのに取得せず中古品の売買を行えば、古物営業法違反となり、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象になります。


さらに処罰を受けると、その後一定期間は新たに許可を取得できなくなる場合があります。


「中古機材も少し扱うかもしれない」という程度でも、買い取りを伴う以上はリスクがあります。物販の幅を広げる可能性があるなら、先に取得しておくほうが安心です。


古物商許可の取得概要    APPLY


申請先 営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課を経由し、都道府県公安委員会へ
手数料 19,000円(不許可や取下げでも返還されません)
審査期間 おおむね40日程度
管理者 営業所ごとに1名を選任します
取扱品目 13品目から選択します(シーシャ機材は「道具類」が中心)


取得後は、中古品を買い取る際の相手方の確認や、取引を記録する古物台帳の備付け・保存といった義務も生じます。


【実務上のポイント】
シーシャバーの開業と同時に取得を検討する場合、審査期間が40日程度かかる点をスケジュールに織り込んでください。
ただし、開業時の最優先はたばこ販売許可(受理月の末日から2月以内)です。古物商許可は開業後に落ち着いてから取得しても、物販を後から始めれば足ります。優先順位を間違えないでください。


よくある質問    FAQ


Q. 客から古いパイプを下取りするのは買取にあたりますか

下取りは買取や交換にあたると考えられます。「新しいものを買ってくれるなら古いものを引き取る」という形でも、そこに経済的な価値のやり取りがあれば同じです。下取りキャンペーンを企画する前に確認してください。


Q. フレーバーの物販にも古物商許可は必要ですか

フレーバーはたばこ事業法の話であり、古物商許可とは別の制度です。中古のフレーバーを売るということも通常はありません。フレーバーの販売についてはフレーバーの物販の記事をご覧ください。


Q. 電子シーシャの販売はどうなりますか

新品を仕入れて売るなら古物商許可は不要です。ただし、成分によっては別の法律の問題が生じます。とくにニコチンを含む製品は、たばこ販売許可があっても販売できません。詳しくは電子シーシャの販売許可の記事をご覧ください。


まとめ    SUMMARY

▶新品をメーカー・卸から仕入れて売る、自分で輸入して売るだけなら不要
▶中古機材の買取と再販、他社輸入品の国内買取販売、中古品のレンタルは許可が必要
▶自分の店で使っていた機材を売るだけなら不要。ただし買取とセットになると変わる
▶無許可営業は3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
▶手数料19,000円、審査はおおむね40日程度
▶取得後は本人確認と古物台帳の備付け・保存の義務が生じる


シーシャ機材の物販は、新品中心であれば許可なしで始められます。しかし「中古の買い取り」が一つでも入ると、古物営業の世界に入ります。


自店の物販がどちら側にあるのかを、開業前・物販を広げる前に確認しておいてください。


開業に必要な手続きの全体像はシーシャバー開業に必要な許可まとめをご覧ください。


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