シーシャバーの飲食店営業許可|申請書類・保健所相談・検査の流れを解説【名古屋・愛知】

著者:行政書士 猪飼久遠 | シーシャ開業専門の行政書士


この記事を読むとわかること
シーシャバーを開業するには、シーシャの提供だけでも「飲食店営業許可」が必須です。「シーシャは飲食物じゃないのでは?」と思われる方もいますが、ドリンクや軽食を一切出さないとしても、保健所の飲食店営業許可を取得しなければ営業できません。


この記事では、名古屋市・愛知県でシーシャバーを開業する方に向けて、飲食店営業許可の仕組み・必要書類・設備要件・申請の流れを行政書士の実務目線で解説します。


1. なぜシーシャバーに飲食店営業許可が必要なのか

 「シーシャだけ出すなら飲食店ではないのでは?」──開業相談で最も多い誤解がこれです。


食品衛生法第55条は、公衆衛生に影響が大きい営業として「飲食店営業」を含む32業種に都道府県知事の許可を義務づけています。(愛知県食品営業許可について)
飲食店営業とは、食品を調理し、または設備を設けて客に飲食させる営業を指します。


シーシャバーの実態を考えてみてください。


・ドリンクを提供する場合 → 飲料を客に提供している時点で飲食店営業に該当
・チャージ料のみ・ドリンク無料提供の場合 → 無料であっても客に飲食させる設備がある以上、該当し得る
・シーシャのみ・水すら出さない場合 → 保健所の判断によりますが、客席を設けて長時間滞在させる営業形態は飲食店営業の許可を求められるのが一般的


許可なく営業した場合は食品衛生法違反として1~3年以下の懲役または50~300万円以下の罰金の対象です。


シーシャバーの営業形態に関わらず、飲食店営業許可は「取って当然」のものとして準備を進めてください。

2. 飲食店営業許可の全体像と愛知県のルール

許可の根拠法と業種分類

食品衛生法に基づく営業許可は全32業種に分かれており、シーシャバーが取得するのは「1. 飲食店営業」です。


令和3年6月施行の改正食品衛生法で設備基準が全国的に見直されました。この改正は、シーシャバーにとって追い風の部分とそうでない部分の両方があります(詳細は後述します)。


申請先:名古屋市は「保健センター」

愛知県内の申請先は、営業施設の所在地を管轄する保健所です。ただし、名古屋市内の場合は保健所ではなく各区の保健センターが窓口となります。



エリア 申請先
名古屋市内(中区・中村区・東区など) 各区の保険センター
豊橋・岡崎・一宮・豊田市 各市の保健所
上記以外の愛知県内 管轄の県保健所


栄(中区)で開業するなら中保健センター、名駅(中村区)なら中村保健センターです。区を間違えると受理してもらえないので、物件の所在地を正確に確認してから相談に行ってください。


手数料

手数料は自治体の条例で定められており、愛知県収入証紙で納付します。金額は保健所ごとに異なりますので、事前に管轄窓口に確認してください。



標準処理期間

愛知県の公表情報によると、標準処理期間は以下のとおりです。
・新規申請10日
・継続申請21日


ここでいう「10日」は、申請が受理されてから許可が出るまでの日数です。この間に現地検査が行われます。

3. 申請に必要な書類一覧

個人申請の場合

・食品営業許可申請書   
・施設の構造・設備を示す図面  
・食品衛生責任者の資格を証する書類養成講習会の修了証など(原本提示)
・水質検査成績書(写し) ※井戸水等、上水道以外の水を使用する場合のみ


食品衛生責任者については、【シーシャ開業に必須の食品衛生責任者とは?講習が間に合わない時の裏技】で詳しく解説しています。


法人申請の場合

上記に加えて登記事項証明書(提示のみ)が必要です。ただし、申請書に法人番号を記載する場合は省略できる場合があります。


「書類はシンプル」だからこそ注意が必要
飲食店営業許可の申請書類は、風俗営業許可や深夜酒類提供飲食店営業届出と比べると非常にシンプルです。住民票の添付も不要で、営業所所在地の確認書類も求められません。
しかし、ここで手を抜くと後続の手続きで必ず痛い目に遭います。


シーシャバーの場合、飲食店営業許可のあとに深夜酒類提供飲食店営業届出やたばこ販売許可など複数の手続きが控えています。飲食店営業許可書に記載される申請者の住所・氏名・営業所所在地は、これらの後続申請にそのまま引き継がれます。


許可書の記載内容に誤りがあると、警察署での届出が受理されない、あるいは変更届が必要になるなどの手間が発生します。


実務上のポイント
・申請者の住所・氏名は住民票(法人の場合は履歴事項証明書)で正確に確認してから記載する
・営業所所在地は物件の賃貸借契約書でビル名・部屋番号まで照合する
・法人の代表者氏名は国税庁の法人番号公表サイトでは確認できないため、履歴事項証明書を必ず取得する

具体的な設備要件(シンクの数など)を詳しく知りたい方は、こちらの**【シーシャバー設備基準・図面完全ガイド】**をご覧ください。

4. 申請から許可までのスケジュール

シーシャバーの開業を逆算するために、飲食店営業許可の一般的なスケジュールを整理します。




ポイント:内装は「完成見込み」で申請できる
飲食店営業許可は風俗営業許可と異なり、内装工事が完成していなくても申請可能です。保健所も「施設完成予定の10日前頃には申請してほしい」と案内しています。


ただし、現地検査時には調理場とトイレ周りが完成している必要があります。客席部分は未完成でも構いません。テーブルや椅子が未設置でも問題ありません。


具体的な設備要件(シンクの数など)を詳しく知りたい方は、こちらの【シーシャバーの保健所検査で落ちない!調理場・シンクの設備ルール】をご覧ください。


よくある失敗:「工事がギリギリまで終わらず、検査当日にガスが開栓されていなくてお湯が出ない」「給排水の配管がつながっていない」──これらは再検査となり、スケジュールが数日〜1週間遅延します。施工業者との工程管理を入念に行ってください。

5. 許可後にやるべきこと──深夜酒類・たばこ許可との連携

 飲食店営業許可が出れば、昼間の営業は開始できます。しかし、以下の営業は別途手続きが必要です。


やりたいこと 必要な手続き
深夜0時以降にお酒を提供 深夜における酒類提供飲食店営業届出(警察署)
たばこ(シーシャの提供) たばこ小売販売許可またはたばこ出張販売許可(財務省)
接待を伴う営業 風俗営業許可(警察署);シーシャバーでは通常不要


シーシャバーに必要なたばこ販売許可についてはこちらの記事で解説してます。
シーシャバーが深夜営業するのに必要な深夜酒類提供飲食店営業の届出についてはこちらの記事で解説しています。

許可書の交付を待たずに次の手続きに進む方法

飲食店営業許可の許可書が交付されるまでには、許可日から1〜2週間かかります。しかし、深夜酒類提供飲食店営業届出には飲食店営業許可書のコピーが必要です。


この待ち時間を短縮する方法として、保健センターで**「申請中証明書」**(数百円)を交付してもらい、これを添付して警察署に届出をすることが一部の警察署では可能です。許可書が交付されたら、証明書と差し替えます。


ただし、この方法を受け付けない警察署もあります。特に深夜酒類提供飲食店営業届出では、差し替えの許可書コピーが提出されないケースが多いことを理由に、許可書の原本コピーでなければ受理しない警察署もあります。必ず事前に所轄警察署に確認してください。


6. よくある質問

居抜き物件で前のテナントが飲食店営業許可を持っていました。引き継げますか?

原則として引き継げません。新たに自分の名義で申請し直す必要があります。

例外として、前の営業者から事業譲渡を受けた場合は「地位承継届」で引き継ぐことが可能です。しかし、これは前の営業者との契約関係がある場合に限られます。単に居抜き物件として借りただけでは地位承継はできません。


居抜きの場合でも、設備が現行基準を満たしているかの確認は必須です。特に手洗い器の再汚染防止構造は法改正以降の要件なので、古い設備のままではそのまま許可が下りません。



物件契約前に飲食店営業許可の申請はできますか?

できません。申請先は営業施設の所在地を管轄する保健センターであり、物件が確定していなければ申請できません。

ただし、物件契約前でも事前相談は可能です。検討中の物件の図面を持って相談に行けば、その物件で許可が取れそうかどうかのアドバイスを受けられます。



法人設立前に個人名で申請して、あとから法人に切り替えられますか?

個人名での許可を法人に「名義変更」することはできません。法人設立後に改めて法人名義で新規申請する必要があります。

法人での開業が決まっている場合は、法人設立を先に済ませてから申請するのがスムーズです。



自宅の一部をシーシャバーにすることはできますか?

住居と営業施設が明確に区画されている必要があります。

調理場の設備基準も通常の店舗と同じです。加えて、用途地域の問題があります。住居専用地域では飲食店営業自体が認められない場合がほとんどです。


用途地域の確認方法については、当事務所の別記事「ここで物件契約したら即アウト!シーシャ屋が出店できないエリア【愛知県版】」で詳しく解説しています。


7. まとめ―飲食店営業許可はシーシャ開業の「土台」

 シーシャバーの開業に必要な許認可はいくつもありますが、飲食店営業許可はその最も基本的な土台です。この許可がなければ、深夜酒類の届出もたばこの許可も進められません。


最後に、飲食店営業許可取得までの要点を整理します。


ステップ 内容 タイミング
① 用途地域の確認 名古屋市都市計画情報提供サービスで物件所在地の用途地域を確認 物件契約前
② 保健センターに事前相談 内装図面(案)とメニュー構成を持参 内装工事着工前
③ 食品衛生責任者の確保 養成講習会の受講予約。間に合わなければ誓約書で対応 早めに予約
④ 内装工事 事前相談での指導内容を反映
⑤ 申請 施設完成予定の約10日前 工事完了前でもOK
⑥ 現地検査 調理場・トイレ周りの完成が必須 申請後〜10日以内
⑦ 許可取得 検査合格後〜数日で許可
⑧ 後続手続きへ 深夜酒類届出・たばこ許可等 許可後すみやかに


行政書士に依頼するメリット

 シーシャバーの開業に必要な飲食店営業許可を、自分で取得しようとして途中で断念するケースは少なくありません。その主な理由は以下の3点です。


① 図面作成と施設要件が専門的


保健所へ提出する図面は、単なる間取りではなく、営業許可基準を満たしているかを示す設計図である必要があります。


調理場の区画、手洗い設備、シンクの数や配置など、細かな基準を満たさなければなりません。
これらを理解せずに作成すると、許可が下りない・工事のやり直しが発生するリスクがあります。


② 設備基準の判断が難しい


飲食店営業許可では、以下のような細かな基準があります。


・手洗い設備の設置位置
・給湯設備の有無
・換気設備の性能
・客席と調理場の区分


シーシャバーの場合は特に、換気・煙対策が重要視されます。
基準の解釈を誤ると、検査時に不適合となる可能性があります。


③ 保健所との事前相談が重要


所轄の保健所によって、確認されるポイントや運用が異なることがあります。


事前相談をせずに申請・検査に進むと、「この設備では不可」「この配置では許可できない」など、直前で修正を求められるケースも少なくありません。


スムーズに開業するためには、事前相談の段階から専門家が関与することが重要です。

飲食店営業許可取得サポート費用(シーシャバー特化)

当事務所では、シーシャバーをはじめとした飲食店に特化し、飲食店営業許可の取得をフルサポートしております。


■ 飲食店営業許可費用

・シーシャバー:55,000円(広さ問わず)


■ 追加費用について
原則として追加費用は発生しません。ただし以下の場合は実費をご負担いただきます。


・証明書取得費用
・遠方の場合の交通費

無料相談のご案内

名古屋・愛知でシーシャバーの開業をご検討中の方へ。
当事務所では、飲食店営業許可の取得を図面作成からワンストップでサポートしています。


保健所との事前相談から検査立会い、許可取得まで、
オープン準備でお忙しいオーナー様に代わって手続きを代行いたします。


行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠
TEL:080‐6948‐1054
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