シーシャバー開業に必要な許可まとめ【飲食店営業許可、たばこ販売許可、風営法まで解説】|愛知県名古屋市

シーシャバーを開業しようと調べ始めると、「飲食店営業許可」「たばこの販売許可」「風営法」といった言葉が次々に出てきます。しかも、それぞれ管轄する役所が違います。


シーシャバーの開業でつまずくのは、必要な許可を知らなかったからではなく、手続きの順番を間違えたからというケースです。物件を契約して内装工事まで終えてから「この建物では成立しない」と分かっても、やり直しがききません。


この記事では、シーシャバーの開業に関わる手続きを、保健所・財務局・警察署・消防署の4つの窓口に整理し、それぞれ何を確認すべきかを法令の根拠とともに解説します。愛知県・名古屋市で開業する場合の実際の金額や期限も記載しています。個別の論点は各記事で詳しく扱っていますので、必要なところから読み進めてください。


シーシャバーの開業に関わる手続きの全体像    OVERVIEW

まず全体像を押さえてください。シーシャバーは、通常の飲食店より関係する役所が多い業態です。


窓口 手続き 必要になる場面
保健所
(名古屋市は保健センター)
飲食店営業許可 ドリンクやフードを提供する場合。シーシャだけを提供し、飲食物を一切出さないなら不要
財務局
(申請書の提出はJT支社)
製造たばこ小売販売業許可
または出張販売の許可
店内でたばこ葉を使ったシーシャを提供し、健康増進法上の「喫煙目的施設」として営業する場合
保健所 健康増進法の受動喫煙対策
(喫煙目的室の要件確認)
店内で喫煙させる場合。届出は不要だが、要件を満たさなければ屋内禁煙
警察署
(生活安全課)
深夜酒類提供飲食店営業
開始届出
午前0時以降も酒類を提供する場合
警察署
(生活安全課)
風俗営業許可 スタッフが客に「接待」をする場合
消防署
(予防課)
防火対象物使用開始届出ほか 建物・テナントを新たに使用する場合(工事の有無を問わない)


【実務上のポイント】
この表を上から順に進めてはいけません。シーシャバーで最初に確認すべきは、保健所(喫煙目的施設として成立するか)と財務局(たばこの販売許可を取れるか)です。この2つが成立しなければ、飲食店営業許可を取っても店内でシーシャを提供できません。
物件を探す前、少なくとも契約する前にこの2つの見通しを立ててください。


①飲食店営業許可(保健所)    RESTAURANT

ドリンクやフードを提供するなら、食品衛生法第55条にもとづく飲食店営業許可が必要です。シーシャそのものは食品ではありませんが、シーシャバーで飲み物を一切出さない業態は現実的ではないため、事実上ほぼ全店が対象になります。


▶施設の工事着工前に、設計図面を持って保健所(保健センター)へ事前相談する
▶店舗ごとに食品衛生責任者を置く
▶申請 → 施設調査(立会い)→ 許可証の交付、という流れ
▶許可証が交付される前に営業を始めることはできない


申請から検査までの具体的な流れはシーシャバーの飲食店営業許可の申請手順を解説した記事で、検査で見られる調理場・シンクの基準は保健所検査の設備ルールをまとめた記事で詳しく説明しています。責任者の確保が間に合わないときの対応は食品衛生責任者の記事をご覧ください。


愛知県と名古屋市では、手数料も申請時期の目安も異なります。ここは全国共通ではありません。


項目 愛知県(県保健所管内) 名古屋市
新規申請手数料 18,000円 16,000円
更新(継続)手数料 14,400円 12,000円
申請時期の目安 標準処理期間は新規10日 営業開始予定日の20日前まで
窓口 施設所在地を管轄する保健所 施設所在地を管轄する保健センター


出典:愛知県「食品営業許可について」(食品営業許可申請手数料一覧表)/名古屋市「食品取扱施設 営業許可」(許可を要する営業及び申請手数料)。金額・期間は2026年9月時点の公表内容です。


豊橋市・岡崎市・一宮市・豊田市も独自に保健所を設置しているため、窓口と金額が愛知県と異なります。開業予定地の管轄をまず確認してください。


なお、飲食物をまったく提供しない業態を考えている方は、飲食店営業許可なしでシーシャバーを営業できるかを検討した記事もあわせてご覧ください。


②たばこの販売許可(財務局)    TOBACCO

ここがシーシャバー特有の、そして最も誤解の多い部分です。


「店内でシーシャを提供する」という行為自体に、たばこの販売許可が必要と決まっているわけではありません。必要になるのは、次の章で説明する健康増進法の「喫煙目的施設」として営業するための要件だからです。この2つは別の法律ですが、実務上はセットで考える必要があります。


小売販売業許可と出張販売許可の違い


  製造たばこ小売販売業許可 出張販売の許可
根拠 たばこ事業法第22条 たばこ事業法第26条
誰が申請するか たばこを販売しようとする者(=店舗の経営者) すでに小売販売業の許可を受けている事業者
手数料 なし(許可後に登録免許税15,000円 なし(許可後に登録免許税3,000円
標準処理期間 いずれも、申請書を受理した日の属する月の末日から2月以内
提出先 日本たばこ産業株式会社の支社(相談窓口は財務局・財務事務所等)



注意していただきたいのは、出張販売の許可を申請するのは店舗の経営者ではないという点です。財務省は、この手続の対象者を「製造たばこの小売販売業者で、その営業所以外の場所に出張して小売販売業をしようとする者」と定めています。


▶シーシャバーが自ら小売販売業許可を取る方法
 → 距離基準・取扱高基準などの審査があり、繁華街ほど最寄りのたばこ販売店との距離基準が問題になりやすい
▶仕入先などの小売販売業者に、自店を出張販売場所として許可を取ってもらう方法
 → 業務委託契約を結び、その内容を明らかにした書類を添付する


どちらを選ぶかは、店の立地と仕入先の状況で決まります。判断の考え方は小売販売と出張販売のどちらを選ぶべきかを整理した記事にまとめました。それぞれの手続きの詳細は、たばこ小売販売業許可の距離基準・取扱高基準を解説した記事たばこ出張販売許可の申請手順と協力店の探し方の記事をご覧ください。


【実務上のポイント】
出張販売の形をとる場合は、そもそも協力してくれる小売販売業者を確保できるかどうかが前提条件になります。物件より先に、ここの見通しを立ててください。
また、標準処理期間は「受理した日の属する月の末日から2月以内」です。月末に申請しても月初に申請しても起算点は同じ月末なので、月の前半に申請したほうが実質的に早く進みます。開店日から逆算する際は、この2か月を必ず織り込んでください。待ち時間を無駄にしない進め方は審査期間中にやるべき開業準備の記事で解説しています。


③健康増進法の「喫煙目的施設」(保健所)    SMOKING

2020年4月に全面施行された改正健康増進法により、飲食店の屋内は原則として禁煙です。シーシャバーが店内で喫煙させるには、例外に当たる必要があります。


健康増進法第28条第7号は「喫煙目的施設」を、喫煙をする場所を提供することを主たる目的とする施設として政令で定める要件を満たすものと定義しています。その政令が健康増進法施行令第4条で、次の3類型が定められています。


要件(施行令第4条)
第1号 施設の屋内の場所の全部を専ら喫煙をする場所とするもの(公衆喫煙所)
第2号 たばこを販売する者によって、対面によりたばこを販売し、屋内で喫煙をする場所を提供することを主たる目的とし、併せて設備を設けて客に飲食をさせる営業(通常主食と認められる食事を主として提供するものを除く)を行うもの
第3号 たばこ又は専ら喫煙の用に供するための器具の販売(たばこは対面販売に限る)をし、屋内で喫煙をする場所を提供することを主たる目的とするもの(飲食をさせる営業を行うものを除く)


ドリンクを出すシーシャバーが目指すのは、通常第2号です。ここから、たばこの販売許可が必要になる理由が導かれます。


▶「たばこを販売する者によって、対面によりたばこを販売し」
 → たばこ事業法の許可(小売販売業許可または出張販売許可)が前提になる
▶自動販売機だけの設置では「対面販売」に当たらない
▶許可を受けずに買い置きのたばこを客に売るのは、ここでいう販売に当たらない
▶「通常主食と認められる食事を主として提供するもの」は除かれる
 → 主食の例:米飯類、パン類(菓子パンを除く)、麺類など


喫煙目的室を設けた場合の義務

要件を満たして喫煙目的室を設置した場合、保健所への届出は不要ですが、次の義務が生じます。


▶客・従業員を問わず、20歳未満の者を喫煙できる場所に立ち入らせないこと
▶喫煙目的室であることを示す標識を掲示すること
▶たばこの販売許可を受けていることが分かる書類(許可通知書やその写し等)を備え付けておくこと


店内の全部を喫煙目的室にする場合、20歳未満の者は店内に一切立ち入れません。アルバイトの採用要件にも直結する話です。年齢の取扱いと正しい掲示方法は未成年の立入りと「18禁」「20禁」の掲示を解説した記事で整理しています。


これらの義務に違反した場合、いきなり罰則が科されるわけではなく、まず指導、次いで勧告・命令という段階を踏みます。それでも改善しない場合に過料が適用される仕組みです。受動喫煙対策の全体像は改正健康増進法の完全ガイドで詳しく解説しています。


【実務上のポイント】
最も注意していただきたいのが、既存特定飲食提供施設の経過措置は使えないという点です。
経過措置は「法の施行の際現に存する」小規模な飲食店を対象とするものです。これから新しく開業する店は、客席面積が小さくても経過措置の対象になりません。
「小さい店なら喫煙可能室にできる」「居抜きで引き継げば前の店の扱いを使える」という説明を見かけますが、新規開業ではその前提が成り立ちません。居抜きで引き継ぐ場合に何が承継できて何ができないのかは、居抜き物件を引き継ぐ手続きの記事で整理しています。


ノンニコチン・ノンタバコ製品の扱い    NON-TOBACCO

シーシャのフレーバーには、たばこ葉を使うものと、茶葉やサトウキビなどを原料としてたばこ葉を使わないものがあります。「ノンニコチンなら許可はいらない」という説明を見かけますが、ここは2つの法律を分けて考える必要があります。


たばこ事業法 「製造たばこ」は葉たばこを原料の全部又は一部とするものと定義されています(第2条第3号)。ただし第38条は「製造たばこ代用品は、これを製造たばことみなしてこの法律の規定を適用する」と定めています。代用品とは、製造たばこ以外の物であって喫煙用に供されるものです。
健康増進法 「たばこ」を、製造たばこに加えて「製造たばこ代用品」を含むものと定義しています(第28条第1号)。したがって、たばこ葉を使わない製品でも屋内での喫煙の規制がかかります。


【実務上のポイント】
条文を素直に読むと、たばこ葉を使わない製品でも、健康増進法上は「たばこ」に当たり得ることになります。そうだとすると、たばこ販売許可は不要だが屋内は原則禁煙、という組み合わせが生じる可能性があります。
「ノンニコチンだから許可はいらない」という理解は、条文と合いません。判断の軸はニコチンの有無ではなく、喫煙用に供されるものかどうかです。
なお、リキッドを電気で加熱して蒸気を吸う電子シーシャは、「喫煙用に供されるもの」に当たるかで扱いが分かれ得ます。取り扱う製品を具体的に示して、財務局と保健所に確認してください。


専門店にする場合と、たばこ葉を使う製品と混在させる場合とで論点が変わります。詳しくはノンニコシーシャの許認可を整理した記事をご覧ください。


④風営法上の手続き(警察署)    FUEI

ここまでの3つと比べると、風営法の判断基準は比較的はっきりしています。営業スタイルによって、次のように分かれます。


営業スタイル 必要な手続き
午前0時前に閉店する 風営法上の許可・届出は不要
午前0時以降も営業するが、酒類を提供しない 同上
午前0時以降に酒類を提供する 深夜酒類提供飲食店営業の届出
スタッフが客の相手をして「接待」に当たる 風俗営業許可(1号営業)
深夜に客に遊興させ、かつ酒類を提供する
(DJイベント、ライブ等)
特定遊興飲食店営業許可


深夜酒類提供飲食店営業の届出

午前0時から午前6時までの時間帯に酒類を提供する場合、営業を開始しようとする日の10日前までに、営業所を管轄する警察署の生活安全課へ届出をします。手数料はかかりません。


重要なのは、営業できない場所があることです。愛知県では、都市計画法上の第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域・第一種住居地域・第二種住居地域・田園住居地域(あわせて第一種地域)では営業できません。



届出の要件と必要書類はシーシャバーの深夜酒類提供飲食店営業届出の記事、提出のタイミングは届出は何日前までに出すかを解説した記事、契約してはいけないエリアはシーシャバーが出店できないエリアの記事で詳しく扱っています。そもそも深夜営業をしないという選択にも許認可上のメリットがあり、それは午前0時で閉める3つのメリットの記事にまとめました。


なお、深夜に酒類を提供する場合は客室の床面積や照度についても条件があります。個室や半個室を設ける予定なら、シーシャバーに個室は作れるかを解説した記事を内装の設計前にご確認ください。


接待に当たると風俗営業許可になる

スタッフが客の隣に座って継続的に話し相手をするなど、風営法上の「接待」に当たる行為をする場合は、深夜酒類の届出ではなく風俗営業許可(1号営業)が必要です。愛知県の申請手数料は24,000円で、営業所の場所についても学校・病院等からの距離規制がかかります。


【実務上のポイント】
シーシャバーで特に注意したいのが、この「接待」です。シーシャは提供時、炭の交換時、味の調整時と、スタッフが客席に近づく回数が構造的に多い業態です。
シーシャの準備や炭の交換のために客席へ行くこと自体は問題になりません。問題になるのは、そこに留まって継続的に談笑の相手をする場合です。
接待の有無は、店の看板ではなく実際の接客の中身で判断されます。スタッフの動き方を開店前にルール化しておいてください。境界線は接待行為の定義と風俗営業許可の境界線を解説した記事で整理しています。


カラオケやDJなど「遊興」に当たる設備・演出を入れる場合は、特定遊興飲食店営業許可の検討が必要になります。判断基準はシーシャバーにカラオケは置けるかを解説した記事を、コンセプトカフェ型の接客を考えている場合はコンカフェシーシャと風営法の記事をご覧ください。


⑤消防関係の手続き(消防署)    FIRE

見落とされがちですが、消防の手続きも必要です。シーシャバーは炭に火をつけて扱う業態であり、換気設備も大きいため、消防署の予防課への事前相談は早い段階で行ってください。


▶防火対象物使用開始届出書(建物やテナントを新たに使用するとき。工事の有無を問わない)
▶火を使用する設備等の設置届出書(該当する設備を設ける場合)
▶工事整備対象設備等着工届出書・消防用設備等設置届出書(消防用設備の工事をする場合)
▶防火管理者の選任届出・消防計画(収容人員が一定数以上の場合)


届出の期限や必要な図面は市町村の火災予防条例で定められており、自治体によって異なります。名古屋市の場合は、事前相談 → 着工届 → 設置届 → 検査 → 使用開始届という流れで、建物のある行政区の消防署(予防課)が窓口になります。


防火管理者が必要になる収容人員の考え方は防火管理者選任届の記事、提出する計画の中身は消防計画の書き方の記事で解説しています。


費用と期間の目安    COST

行政庁に納める実費(行政書士報酬を含みません)をまとめると、次のようになります。


手続き 実費 期間の目安
飲食店営業許可(愛知県) 18,000円 標準処理期間10日
飲食店営業許可(名古屋市) 16,000円 20日前までに申請
たばこ小売販売業許可 登録免許税15,000円 受理月の末日から2月以内
たばこ出張販売の許可 登録免許税3,000円 受理月の末日から2月以内
深夜酒類提供飲食店営業の届出 なし 営業開始の10日前まで
風俗営業許可(接待をする場合) 24,000円 警察署で確認


スケジュール上のボトルネックは、たばこの販売許可です。他の手続きが10日〜20日単位で動くのに対し、こちらだけは2か月かかります。開店日を先に決めてしまうと間に合わなくなるため、逆算するならここを起点にしてください。


上記のほか、物件取得費・内装工事費・機材やフレーバーの仕入れ費用がかかります。開業資金の全体像はシーシャ開業費用の内訳を解説した記事にまとめました。換気設備は喫煙目的施設として営業するうえで妥協できない部分なので、内装予算の中でも優先度を高く見ておいてください。設計上の注意点はシーシャバーの換気設備と法律の記事で扱っています。


手続きの前に決めておくこと|誰の名義で許可を取るか    APPLICANT

ここまでは「何の手続きが必要か」の話でした。もうひとつ、着手前に決めておかないと後から直せないのが「誰の名義で許可を取るか」です。


シーシャバーは複数の許可が重なる業態なので、名義がずれると営業実態と許可が食い違います。実際に店を運営している人と許可の名義人が違えば、名義貸しを疑われかねません。


論点 先に決めておく理由
法人か個人事業主か 添付書類が変わります。法人なら定款・登記事項証明書が必要になり、法人設立の時間も逆算に入れる必要があります
申請者に欠格事由がないか たばこ事業法・食品衛生法・風営法で基準がそれぞれ異なります。ひとつの法律で問題なくても別の法律で引っかかることがあります
共同経営にするか 許可の名義は原則ひとりです。出資者と名義人の関係を整理しないまま進めると、後から修正がききません
間借り・シェア型で始めるか 物件の使用権原と許可の名義がずれやすい形態です。適法に組み立てられる形かどうかを先に確認してください


法人か個人かの判断材料は法人と個人事業主どちらで開業すべきかを解説した記事、許可ごとの欠格事由は過去に犯罪歴がある場合の記事にまとめています。共同経営を考えている方は共同経営と名義設計の記事を、間借りでの開業を考えている方は間借りで適法に開業する方法の記事を必ずご確認ください。


【実務上のポイント】
法人で開業する場合、定款の事業目的にたばこの販売を入れておくかどうかも先に検討してください。後から目的を追加するには変更登記が必要になり、時間と費用がかかります。たばこ販売許可には2か月かかるため、この段階での手戻りはスケジュール全体に響きます。考え方は定款に「たばこ販売」を書くべきかを解説した記事で説明しています。


開業までの正しい進め方    STEPS

順番を間違えると取り返しがつかない業態なので、推奨する進め方を示します。


▶①提供する製品を決める(たばこ葉を使うかどうか、仕入先はどこか)
▶②開業の形を決める(法人か個人か、共同経営か、誰の名義で許可を取るか)
▶③財務局・仕入先に相談する(小売販売業許可を自分で取るか、出張販売でいくか)
▶④保健所に相談する(喫煙目的施設として成立するか、飲食店営業許可の施設基準は何か)
▶⑤営業スタイルを固める(閉店時刻、酒類の提供、接待の有無、イベントの有無)
▶⑥物件を探す(用途地域、換気設備の設置可否、建物の構造、消防上の制約)
▶⑦契約前に、用途地域と換気の実現可能性を確認する
▶⑧消防署の予防課に事前相談する
▶⑨内装を設計・着工する(保健所の施設基準と換気設備の基準を満たす設計に)
▶⑩たばこの販売許可を申請する(2か月かかる)
▶⑪飲食店営業許可を申請する
▶⑫営業開始の10日前までに警察署へ届出(午前0時以降に酒類を出す場合)


通常の飲食店と違うのは、③と④が物件探しより先に来る点です。ここが成立しない業態設計のまま物件を契約すると、賃料だけが発生し続けることになります。


【実務上のポイント】
物件の内見時に確認しておきたいのは、ダクトを外部に出せるか、既存の換気能力はどの程度か、上階や隣接テナントとの関係で煙や臭いの問題が起きないかです。
シーシャバーは煙の量が多く、近隣からの申し出につながりやすい業態です。法令上の要件を満たしていても、近隣との関係で営業が難しくなることはあります。物件を決める前に、建物の管理会社やオーナーに「シーシャバーとして使用すること」を明確に伝え、書面で承諾を得ておいてください。契約書で見るべき条項は賃貸契約書チェックリストの記事にまとめています。


申請に添付する図面は複数種類あり、内装設計と並行して準備する必要があります。詳しくは飲食店営業許可に必要な図面の記事をご覧ください。


よくある質問    FAQ


Q.たばこの販売許可がないと、店内でシーシャを提供できませんか。
たばこ葉を使ったシーシャを提供し、かつ店内で喫煙させる場合、健康増進法上の喫煙目的施設(施行令第4条第2号)に当たるには「たばこを販売する者による対面販売」が要件になります。したがって、たばこ事業法の許可を受けずにこの要件を満たすことはできません。ただし、営業形態によって当てはまる号が変わる可能性があるため、具体的な計画をもって保健所に確認してください。


Q.既存のシーシャバーを居抜きで引き継げば、前の店の扱いを使えますか。
飲食店営業許可については、事業譲渡による地位承継の手続きが使える場合があります。一方、健康増進法の経過措置(既存特定飲食提供施設)は「法の施行の際現に存する」施設を対象とするものなので、新たに開業する営業者がこれを引き継げるとは限りません。設備が残っていることと、法令上の地位を引き継げることは別の話です。保健所への確認が必要です。


Q.フードメニューを出したい場合はどうなりますか。
喫煙目的施設(施行令第4条第2号)からは「通常主食と認められる食事を主として提供するもの」が除かれます。主食の例としては米飯類、パン類(菓子パンを除く)、麺類などが挙げられています。おつまみ類やデザートの提供が直ちに問題になるわけではありませんが、メニュー構成によって判断が変わる領域なので、想定するメニュー表を持って保健所に相談してください。


Q.20歳未満のアルバイトを雇えますか。
喫煙目的室には、客・従業員を問わず20歳未満の者を立ち入らせることができません。店内の全部を喫煙目的室とする場合、20歳未満の従業員は勤務できないことになります。加えて、深夜酒類提供飲食店営業では風営法上の年齢に関する規制もあります。採用計画を立てる前に確認しておいてください。


Q.午前0時までに閉店するなら、警察署の手続きは不要ですか。
接待をせず、午前0時以降に酒類を提供しないのであれば、風営法上の許可・届出は不要です。ただし、これは風営法についての話であり、保健所・財務局・消防署の手続きが不要になるわけではありません。


判断に迷ったら開業前にご相談ください    CONTACT

シーシャバーの開業は、関わる役所が4つに分かれ、しかもそれぞれの判断が互いに影響し合うという点で、通常の飲食店開業より複雑です。提供する製品を変えれば財務局の判断が変わり、メニューを変えれば保健所の判断が変わり、接客の仕方を変えれば警察署の判断が変わります。


▶自分の店が喫煙目的施設として成立するのか分からない
▶たばこの販売許可を自分で取るべきか、出張販売でいくべきか判断がつかない
▶検討中の物件で営業できるか確認したい
▶ノンニコチン製品を扱う場合の手続きを整理したい
▶開業までのスケジュールを引きたい


当事務所では、飲食店営業許可・たばこ販売許可・深夜酒類提供飲食店営業の届出まで、シーシャバーの開業に必要な手続きをまとめてお引き受けしています。代表自身がシーシャバーでの勤務経験を持っているため、現場の動き方を踏まえたうえでご案内できます。


特に、物件を契約する前・内装工事に着手する前のご相談をおすすめします。この段階であれば、選べる選択肢がまだ残っています。


報酬・実費の目安と対応エリアは、シーシャバー開業支援のページにまとめています。


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この記事で参照した主な一次情報
・食品衛生法/愛知県「食品営業許可について」(食品営業許可申請手数料一覧表)/名古屋市「食品取扱施設 営業許可」(許可を要する営業及び申請手数料)
・たばこ事業法第2条・第22条・第26条・第38条/財務省「製造たばこの小売販売業の許可」「製造たばこの小売販売業の出張販売の許可」
・健康増進法第28条/健康増進法施行令第4条
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律/愛知県警察「風俗営業の許可申請手続」「深夜における酒類提供飲食店営業の営業開始届出手続」
・消防法/各市町村の火災予防条例
※本記事は2026年9月時点で確認した公表内容にもとづいています。手数料・期間・要件は改定されることがあるため、申請前に各窓口で最新の情報をご確認ください。