この記事を書いた人/行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県稲沢市を拠点にシーシャバーの開業支援を取り扱う行政書士です。約2年半、名古屋市内のシーシャバーで勤務してきました。この記事は、その現場から見えた内容をまとめています。
シーシャバーの開業を考えるとき、「どんな人が来るのか」を具体的にイメージできているオーナーは意外と少ないものです。しかも客層は、エリアによってかなり違います。
ポイントは、客層を先に決めてから物件と内装を選ぶことです。順番が逆になると、個室もカウンターも作れない物件で「カップル需要を取りたい」と悩むことになります。
この記事では、名古屋市内のシーシャバーで実際に見てきた客層と、そこから逆算した店舗設計のポイントをお伝えします。
「シーシャバーは若者向け」というイメージを持たれがちですが、現場に立つと客層の幅広さに気づきます。
最も多い層です。夜の時間をゆっくり過ごす場所として選ばれます。個室があるとリピート率が上がる傾向があります。
3〜5人での来店が多い層です。フレーバーをいろいろ試したいという動機があり、注文そのものが会話のネタになります。回転より滞在時間が長くなる傾向があります。
思っているより多い層です。仕事帰りや気分転換に来られます。カウンター席でスタッフと話すことを目的にされる方もいます。
常連と初見が半々くらい、という感覚です。常連はフレーバーの好みが固まっているので注文が早く、初見客は選び方から分かりません。この差がオペレーションに効いてきます。
🎙 現役スタッフより
一人客は「思ったより多い」という印象です。仕事帰りにふらっと来て、静かに吸って帰る。カウンターがあるかどうかで来やすさが全然変わると思います。カップルは個室があると明らかに選んでくれる率が上がります。
名古屋市内でも、立地によって来る客層と売上の構造が違います。開業エリアを決めるときの判断材料になります。
| エリア | ピーク時間帯 | 客層の傾向 |
|---|---|---|
| 錦・栄 | 22時〜深夜 | 夜遊び帰りのグループ・カップルが中心。深夜帯が売上の大半を占めます |
| 名駅周辺 | 土日の昼〜夜 | 昼営業をしていると土日は比較的来店があります。買い物・観光帰りの層も混じります |
🎙 現役スタッフより
錦はやっぱり夜と深夜が売上のほぼ全部という感覚です。逆に名駅周辺だと、昼営業しているお店は土日に結構人が来る。エリアによって全然違うので、開業前に「何時から何時で売上を作るか」を決めたうえで物件を選んだほうがいいと思います。
【実務上のポイント】
この話は、そのまま許認可の話につながります。深夜帯で売上を作る前提なら、その物件で深夜営業ができるかどうかが最優先の条件になります。
愛知県では第一種地域(7つの用途地域)で深夜の酒類提供ができません。「錦のような客層を狙いたい」と考えているなら、用途地域の確認は物件を絞り込む最初の作業です。詳しくはシーシャバーが出店できないエリアの記事をご覧ください。
常連と初見が半々という現場感覚から言えば、初見客への対応がそのまま店の評判になります。
初見客からは、ほぼ決まった質問が出ます。
▶「フレーバーって何がおすすめですか」
▶「煙ってそんなに出るんですか」
▶「お酒は一緒に飲んでいいんですか」
▶「どうやって吸うんですか」
「おすすめは」が特に多い質問です。初めての方はそもそも選び方が分かりません。スタッフが素早く案内できる体制がないと、注文までに時間がかかってオペレーションが詰まります。
🎙 現役スタッフより
初めての人が来たとき、フレーバーの説明から吸い方まで一通り案内するのが基本です。「甘い系が好きか、スッキリ系が好きか」を聞いて絞り込むのが早い。最初の体験で「また来たい」と思ってもらえるかどうかが、リピーターになるかをほぼ決めると思っています。
デート利用のカップルは「個室があるかどうか」で店を選ぶことが多くあります。クローズドな会話をしたい層にも好まれます。
午前0時以降に酒類を提供する場合、客室を仕切って分けると、それぞれが9.5㎡以上でなければなりません。
「4人掛けの半個室を複数」というレイアウトは、深夜営業をするなら成立しないことが多くあります。物件の広さから逆算して何室作れるかを、契約前に確認してください。詳しくはシーシャバーに個室は作れるかを解説した記事をご覧ください。
一人客は「入りやすいかどうか」を重視します。カウンター席が1〜2席あるだけで、一人でも入れる雰囲気が作れます。
一人客はグループより滞在時間が短く、回転が効く層でもあります。席数の少ない小規模店では、この層を取れるかどうかが売上に効きます。
常連は自分の好みを把握しているので何でも頼めますが、初見客は分かりません。「甘い系・スッキリ系・フルーツ系」といった選びやすいカテゴリ分けをメニューに入れておくと、案内がスムーズになります。
錦・栄エリアなら深夜営業ありきの設計が前提です。名駅周辺で昼営業も視野に入れるなら、昼と夜で客層が違うことを意識した設計が必要になります。
【実務上のポイント】
営業時間の決定は、手続きの必要性そのものを左右します。午前0時前に閉店するなら、警察署への届出は不要です。個室の面積基準もかかりません。
「深夜の売上は取れないが、狭い物件で個室を複数作れる」という選択肢も現実的です。午前0時閉店のメリットは午前0時で閉める3つのメリットの記事にまとめています。
▶客層は20代カップル、グループ、一人客が中心。一人客は思っているより多い
▶常連と初見はおおむね半々。初見客への案内体制がリピート率を決める
▶錦・栄は深夜帯が売上の大半。名駅周辺は土日の昼営業に需要がある
▶個室はカップル集客に効くが、深夜営業をするなら9.5㎡の面積基準がかかる
▶カウンター席は一人客の入口になる
▶客層とエリアを先に決めてから、物件と営業時間を選ぶ
客層の設計は、そのまま許認可の設計になります。どの時間帯で売上を作るか、個室を何室作るか。この2つが決まれば、必要な手続きも自動的に決まります。
開業に必要な手続きの全体像はシーシャバー開業に必要な許可まとめ、必要な人数の考え方はシーシャバーのスタッフは何人必要かの記事をご覧ください。
狙う客層と営業時間から、必要な手続きを整理してご案内します。
「このエリアでこの営業スタイルは成立するか」という段階でも構いません。LINEなら夜間・土日も対応します。
\『開業の相談』と送るだけ/