この記事を書いた人/行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県稲沢市を拠点に、シーシャバーの開業支援を取り扱っています。約2年半のシーシャバー勤務経験があります。
飲食店営業許可には有効期間があり、シーシャバーを続けるには更新の手続きが必要です。日々の営業に追われて更新を忘れると、無許可営業になります。
ポイントは、期限を過ぎてしまうと遡って更新することができず、新規申請のやり直しになることです。しかも更新時には、現行の設備基準を満たしているかが改めて確認されます。
この記事では、有効期間の確認方法から更新手続きの流れ、シーシャバー特有の注意点までを整理します。
飲食店営業許可の有効期間は、自治体や施設の状況によって異なります。おおむね5年から8年で設定されることが多く、具体的な期限は許可証に記載されています。
名古屋市も、営業許可書に許可の有効期間が記載されていること、有効期間の満了後も引き続き営業する場合は満了前に更新申請を行うことを案内しています。
出典:名古屋市「食品取扱施設 営業許可」(2026年9月時点)
【実務上のポイント】
許可を取ったときに有効期間の満了日をカレンダーに入れておいてください。5年から8年先の話なので、忘れて当然の期間です。
更新の案内が必ず届くとは限りません。期限管理は営業者の責任です。許可証は店内の見やすい場所に掲示する必要があるので、掲示の際に満了日を確認する習慣をつけておくと確実です。
有効期間を過ぎた状態で営業を続ければ無許可営業となり、食品衛生法違反として2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金の対象になります。
期限が切れた場合、遡って更新することはできません。新規申請として手数料も高くなり、検査もやり直しです。その間の営業もできません。
| エリア | 新規 | 更新(継続) |
|---|---|---|
| 名古屋市 | 16,000円 | 12,000円 |
| 愛知県(県保健所管内) | 18,000円 | 14,400円 |
出典:名古屋市「食品取扱施設 営業許可」/愛知県「食品営業許可について」(2026年9月時点)
豊橋市・岡崎市・一宮市・豊田市は独自に保健所を設置しているため、金額が異なります。営業所の所在地を管轄する窓口でご確認ください。
名古屋市では、営業所の所在地を管轄する保健センターで手続きを行います。
▶STEP1/前回申請時からの変更事項を確認する
▶STEP2/必要書類を集め、申請書類を作成する
▶STEP3/有効期間の満了前に保健センターへ提出する
▶STEP4/施設・設備の検査を受ける(営業者の立会いが必要)
▶STEP5/新しい許可証の交付を受け、店内に掲示する
申請者の住所変更、法人の代表者変更、設備の変更など、前回の申請時から変わっている点がないか確認します。変更があれば、あわせて届出が必要になります。
更新は新規申請より書類が少なくなります。提出時期は「有効期間の満了前」ですが、検査の日程調整があるため、余裕を持って動いてください。
更新でも検査があります。設備が現在の基準を満たしているかが確認され、営業者本人の立会いが必要です。
検査に合格すれば、新しい許可証が交付されます。店内の見やすい場所に掲示してください。
名古屋市では、厚生労働省の「食品衛生申請等システム」を通じてオンラインで申請を行うこともできます。
ただし、オンラインで申請した施設は、その後の変更届もオンラインで提出する必要があります。手数料の納付方法も含めて、事前に窓口へご確認ください。
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 営業許可申請書(更新) | 窓口または公式サイトで入手できます |
| 現在の飲食店営業許可証 | 紛失した場合は再交付の手続きが必要です |
| 食品衛生責任者の資格を証するもの | 養成講習会の修了証など |
| 施設の構造・設備を示す図面 | 前回から変更がある場合 |
| 水質検査成績書 | 貯水槽・井戸水を使用している場合のみ |
| 登記事項証明書 | 法人の場合 |
必要書類は自治体や施設の状況によって異なります。更新の案内が届いたら、記載内容を確認してください。
更新の検査は、現在の基準にもとづいて行われます。許可を取ったときの基準ではありません。
令和3年6月施行の改正食品衛生法では、手洗い設備に再汚染防止構造(レバー式など)が求められるようになりました。古い設備のまま営業を続けていた場合、更新のタイミングで指摘を受ける可能性があります。
【実務上のポイント】
更新の前に、いま一度ご自身の店を検査目線で見てください。手洗い器の水栓、シンクの状態、換気設備、トイレの構造。日々の営業で気にならなくなっている部分ほど、検査で指摘されます。
設備の基準は保健所検査の調理場・シンクの設備ルールの記事で解説しています。更新前の自己点検にも使えます。
スタッフを食品衛生責任者にしていた場合、その方が退職していれば責任者が不在の状態になっています。更新の前に選任状況を確認してください。
なお、要許可業種の施設に従事する食品衛生責任者は、原則として営業許可の更新の都度、実務講習会を受講することとされています。詳しくは食品衛生責任者の記事をご覧ください。
シーシャバーには複数の手続きが関わりますが、更新が必要なものとそうでないものがあります。
| 手続き | 更新の要否 |
|---|---|
| 飲食店営業許可 | 必要(おおむね5〜8年ごと) |
| 深夜酒類提供飲食店営業の届出 | 有効期間の定めはありません。ただし変更があれば変更届が必要です |
| たばこ販売の許可 | 有効期間の定めはありません。ただし出張販売は協力事業者の許可が前提です |
【実務上のポイント】
更新がないからといって、放っておいてよいわけではありません。深夜酒類の届出は、氏名・名称・住所、営業所の名称、構造及び設備の概要に変更があれば変更届が必要です。
出張販売については、協力しているたばこ小売販売業者が廃業すれば、店内でシーシャを提供する根拠が失われます。更新の有無より、この点のほうが実務的なリスクは大きいかもしれません。開業後の届出全般はシーシャバー運営で必要な全変更届の記事にまとめています。
受付を開始する時期は自治体によって異なります。有効期間の満了前に手続きを終える必要があるため、検査の日程調整も含めて余裕をもって動いてください。満了直前に申し込んで検査日が取れない、というのが最も避けたい事態です。
再交付の手続きが必要です。更新の際に現在の許可証の提出を求められるため、紛失に気づいたら早めに窓口へ相談してください。更新の直前に発覚すると、再交付と更新の両方を短期間でこなすことになります。
指摘された点を改善したうえで、改めて確認を受けることになります。設備の工事が必要な場合、有効期間の満了に間に合わない可能性があります。だからこそ、更新の手続きは早めに始めてください。
▶飲食店営業許可には有効期間がある。おおむね5〜8年で、許可証に記載されている
▶期限を過ぎると遡って更新できず、新規申請のやり直しになる
▶更新手数料は名古屋市12,000円、愛知県14,400円
▶更新でも施設・設備の検査があり、営業者の立会いが必要
▶検査は「現在の基準」で行われる。手洗い設備の再汚染防止構造などに注意
▶食品衛生責任者の選任状況もあわせて確認する
▶深夜酒類の届出とたばこ販売許可に有効期間の定めはないが、変更届は必要
許可を取ったときに、満了日を必ず記録しておいてください。飲食店営業許可はシーシャバーの土台です。手続き全体の流れはシーシャバーの飲食店営業許可の記事、開業に必要な手続きの全体像はシーシャバー開業に必要な許可まとめをご覧ください。
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