シーシャバーのスタッフは何人必要?1日のオペレーションのリアルを現役スタッフが解説

この記事を書いた人/行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県稲沢市を拠点にシーシャバーの開業支援を取り扱う行政書士です。約2年半、名古屋市内のシーシャバーで勤務してきました。この記事は、その現場から見えた内容をまとめています。


シーシャバーの開業を考えるとき、「スタッフは何人いれば回るのか」を正確にイメージできている方は多くありません。
ポイントは、人件費は創業融資の事業計画に直結するため、感覚ではなく作業時間から積み上げて決める必要があることです。


シーシャバーには、一般的な飲食店にはない時間のかかる作業があります。この記事では、現場の実態から必要な人数を考えます。


この記事を読んでほしい方
▶シーシャバーの開業を考えているが、必要なスタッフ数の目安が分からない
▶ワンオペで回せるのか、複数人必要なのか判断できていない
▶創業融資のために、現実的な人員計画を立てたい



ワンオペ・2オペが基本、ただし落とし穴があります    BASE

シーシャバーは、もともとワンオペ・2オペで回すことを前提にした業態が多くあります。客単価が高い分、席数を絞って少人数で運営するモデルが一般的です。


ただし、大きな落とし穴があります。


スタッフが体調を崩したら営業が止まります

シーシャの炭は常時高温で、店内には常に煙が漂っています。換気・空調が十分でない環境で長時間ワンオペをしていると、体調に影響が出ることがあります。
そうなったとき、代われる人間がいなければ営業そのものが成り立ちません。特に夏場は注意が必要です。

🎙 現役スタッフより
ワンオペで回せる時間帯はあります。ただ、シーシャの煙と炭の熱が長時間続く環境で1人でいると、体調に影響が出ることがあります。もし気持ち悪くなったら、その時点でもう店が回りません。ワンオペは「回せるかどうか」だけじゃなくて、「スタッフが安全に働けるか」という視点で考えたほうがいいと思います。


オープン初期は、シーシャを満足に作れるスタッフが限られます。特定の人に負担が集中しやすいので、その意味でも体調管理の視点は必要です。


【実務上のポイント】
この話は換気設備の設計に直結します。客席の煙をどれだけ排出できるかは、客の快適性だけでなく、スタッフが長時間働けるかどうかの問題でもあります。
換気を削ると人が減らせなくなる、という関係になります。設備投資と人件費はトレードオフではなく、連動していると考えてください。詳しくはシーシャバーの換気設備と法律の記事をご覧ください。


シーシャで時間がかかる3つの作業    TASK

一般的な飲食店と違い、シーシャバーには特有の時間のかかる作業があります。これを把握しないまま席数を決めると、ピーク時にオペレーションが詰まります。


①セットアップ(1台あたり15分以上)

シーシャ1台のセットアップには、ボウルへのフレーバー詰め、アルミホイルのセット、炭の着火と配置まで含めて慣れていても15分以上かかります。


フレーバーによって詰め方や火加減が変わるため、毎回同じ作業ではありません。


🎙 現役スタッフより
セットアップは慣れても時間がかかります。フレーバーごとに炭の置き方や量が変わるし、初めてのお客さんには吸い方の説明もしながら同時進行することになる。ピーク時に複数台を同時にセットアップしながら接客するのは、正直かなりきついです。


②炭の交換(タイミングは客ごとに違う)

炭の交換サイクルは、客の吸い方や炭の状態によって毎回変わります。「何分おきに交換」という固定ルールが作りにくい作業です。


私の場合は基本的に15分ごとに調整し、「この人は吸うペースが速いから12分で見に行こう」というように客ごとに変えています。


満席時の炭交換は、ワンオペでは追いつきません

満席状態で各テーブルの炭の状態を見ながら全台の交換を回すことは、1人では構造的に難しい作業です。
炭交換が追いついていないテーブルが出ると、客の満足度が一気に下がります。シーシャは味が落ちればすぐ分かる商品です。

🎙 現役スタッフより
炭交換は「これくらいで交換」という目安はありますが、実際はお客さんの吸い方によって全く違います。よく吸う人は早く灰が落ちるし、ゆっくり吸う人はそうでもない。満席のときに全テーブルを均等に見るのは、2人でもかなり大変です。


③ピーク時のオーダー対応

ピーク時間帯(錦・栄エリアなら22時〜24時前後)は、新規来店・炭交換・ドリンクオーダーが同時に重なります。


さらに、初見客はフレーバーを選ぶのにも時間がかかります。この待ち時間も、スタッフが張り付く時間として計算に入れる必要があります。


客層とピーク時間の考え方は名古屋のシーシャバーの客層を解説した記事で扱っています。


人員設計で先に決めること    PLAN


「何席で何人」を先に決める

適切なスタッフ数は、席数と営業時間帯によって変わります。目安として、ピーク時間帯に満席想定で回すなら、最低2人体制を確保できるシフト設計が必要です。


ワンオペは、閑散時間帯の選択肢として持っておく程度に考えたほうが安全です。


初見客対応の時間を通常業務に組み込む

常連と初見が半々という現場感覚から言えば、初見客への案内(フレーバー説明・吸い方のレクチャー)は毎日必ず発生します。


これを「イレギュラー対応」ではなく「通常業務の一部」として、時間を確保したうえでシフトを組んでください。


席数を決める前に、面積の基準を確認する

深夜に酒類を提供する場合、客室を仕切るとそれぞれ9.5㎡以上という基準がかかります。個室を増やせば席あたりの面積が大きくなり、同じ坪数でも席数が減ります。


席数が変われば必要な人数も変わります。レイアウトと人員計画は同時に検討してください。面積の基準はシーシャバーに個室は作れるかを解説した記事をご覧ください。


開業前のオペレーション設計チェックリスト

▶ピーク時間帯に最低2人体制を確保できるシフトが組めるか
▶換気・空調がワンオペの長時間勤務に耐えられる設備か
▶スタッフが体調を崩したときの緊急連絡体制があるか
▶シーシャを作れるスタッフを何人育てるか、その期間をどう見るか
▶想定席数とレイアウトが、面積の基準を満たしているか

年齢に関する制約も人員計画に影響します    AGE

シーシャバー特有の制約として、年齢の問題があります。


▶健康増進法/喫煙目的室には20歳未満の者を立ち入らせられない(客・従業員とも)
▶風営法/深夜酒類提供飲食店営業では、18歳未満の者を客として立ち入らせることが原則禁止


店内の全部を喫煙目的室にする場合、20歳未満の従業員は勤務できません。飲食店では学生アルバイトが人員計画の中心になることも多いため、ここは早い段階で確認しておくべき点です。


詳しくは未成年の立入りと掲示を解説した記事、喫煙目的施設の要件は改正健康増進法のガイドをご覧ください。


まとめ    SUMMARY

▶シーシャバーはワンオペ・2オペが基本だが、ワンオペは体調リスクと表裏一体
▶セットアップは1台15分以上。フレーバーごとに作業が変わる
▶炭交換のタイミングは客ごとに違い、固定ルールが作れない
▶満席時の炭交換は1人では構造的に難しい
▶ピーク時間帯は最低2人体制を確保できるシフト設計を
▶初見客への案内は通常業務として時間を確保する
▶換気設備の性能が、必要な人数に影響する
▶店内全部を喫煙目的室にすると、20歳未満の従業員は勤務できない


シーシャバーのオペレーションで起きる問題の多くは、開業前の設計段階で防げます。何人で何席を回すか、炭管理の動線をどうするか、ピーク時に人が足りるか。物件契約・内装設計の段階から考えておいてください。


開業に必要な手続きの全体像はシーシャバー開業に必要な許可まとめ、開業資金の内訳はシーシャ開業の費用を解説した記事をご覧ください。


許可申請と並行して、レイアウトや運営設計のご相談もお受けしています。


初回相談は無料です

「この席数でこの人数は現実的か」という段階でも構いません。LINEなら夜間・土日も対応します。


\『開業の相談』と送るだけ/