著者:行政書士 猪飼久遠 | シーシャ開業専門の行政書士
「ニコチンフリーなら規制が緩い?」「ノンニコだけなら許可いらない?」という誤解が多いノンニコシーシャの許認可。実は法律上の扱いは複雑で、営業形態によって必要な許可が異なります。この記事では、通常シーシャとの混在営業と、ノンニコ専門店の2つのパターンに分けて、正確な許認可要件を整理します。
ノンニコシーシャの法律上の分類は、「製造たばこ代用品」です。タバコ葉を使わず、フルーツやサトウキビなどで代用したフレーバーは、「製造たばこ」ではありません。
ただし重要なのは、法律上「代用品」でも「製造たばこ」と同じ規制が適用されるという点です。
根拠:たばこ事業法第38条「製造たばこ代用品は、これを製造たばことみなしてこの法律の規定を適用する。」
つまり、ノンニコシーシャは:
1. 法律上の分類:「製造たばこ代用品」
2. 適用される規制:「製造たばこ」と同じ
3. 結果:たばこ販売許可が必要
「代用品だから許可不要」は誤り
「ニコチンが入ってないから許可いらない」「代用品だから規制が緩い」という解釈は法的に誤りです。たばこ事業法第38条により、代用品でも「製造たばことみなして」同じ規定を適用されます。
許可なしでノンニコシーシャを提供すると、30万円以下の罰金(たばこ事業法第49条)のリスクがあります。
「通常シーシャもノンニコも両方提供したい」というケースです。ほとんどのシーシャバーがこの形態です。
混在営業の場合は、通常のたばこ出張販売許可(またはたばこ小売販売許可)を取得すれば、ノンニコも含めて提供可能です。
なぜなら、たばこ販売許可は「製造たばこ及びその代用品全般の提供」を許可するものだからです。ノンニコシーシャは「製造たばこ代用品」ですが、たばこ事業法第38条により「製造たばことみなして」規制されるため、同じ許可の対象に含まれます。
根拠:たばこ事業法第2条・第38条・第31条
・第2条:「製造たばこ」の定義
・第38条:「製造たばこ代用品は、これを製造たばことみなしてこの法律の規定を適用する」
・第31条:製造たばこの小売販売業許可要件
混在営業で気を付けるべき点があります。ノンニコを提供する際も、通常シーシャと同じルールが適用されます。
・20歳未満への提供禁止
・年齢確認の徹底
・喫煙目的施設としての設備基準の遵守
・受動喫煙防止対策
「ニコチンなしだから未成年でもOK」という判断は絶対に間違いです。提供する側の年齢確認義務は変わりません。
「ノンニコシーシャのみを提供したい」という業態は、法律上たばこ販売許可が必要です。
ノンニコシーシャのみの営業であっても、ノンニコシーシャは「製造たばこ代用品」としてたばこ事業法第38条により製造たばことみなされます。
・ノンニコシーシャ = 製造たばこ代用品
・製造たばこ代用品 = 「製造たばことみなす」(第38条)
・製造たばこを提供 = たばこ販売許可が必要
→ ノンニコのみでも販売許可は必須
改正健康増進法では、喫煙目的施設は「たばこの対面販売をしており、喫煙場所の提供を主な目的とする施設」と定義されており、ノンニコシーシャ専門店もこれに該当します。改正健康増進法第33条
法律上はノンニコシーシャのみの営業も可能ですが、実際にはノンニコシーシャ専門店はほぼ存在しません。理由は以下の通りです:
顧客ニーズ:タバコ派とノンニコ派で嗜好が完全に分かれない。吸えるフレーバの種類が限られ、いろいろなフレーバーを吸いたい層が他店舗に流れてしまう
営業効率:混在営業の方が顧客単価が高い(ニコチンありシーシャとお酒を同時に楽しみたい人も多い)
原価:ノンニコ専門だと仕入れロットが小さく、原価が高くなる
ブランド力:シーシャバーは「タバコを吸う場所」として認識されており、ノンニコのみでは客足が見込みにくい。常連が付きにくい
現場経験からも、シーシャバーの営業モデルとして現実的なのは通常シーシャとノンニコの混在営業です。ノンニコ専門店での開業を検討している場合は、事業計画の段階で採算性をしっかり検証することが重要です。
通常のシーシャバーと同じ手続きです。
→ 飲食店営業許可(保健所)+ たばこ出張販売許可(財務局・JT支社)
法律上はたばこ販売許可が必要ですが、採算性を確認してから検討してください。
→ 飲食店営業許可(保健所)+ たばこ出張販売許可(財務局・JT支社)
開業前のチェックリスト
・所轄の財務局(JT支社)に営業形態を説明して許可要件を確認
・保健所に飲食店営業許可の要件を確認
・混在営業か専門店か、どちらの業態か明確に決定
・年齢確認体制の徹底
ノンニコシーシャを「体に優しい」「害がない」と宣伝することは避けるべきです。ニコチンフリーでも、シーシャは喫煙器具であり、一酸化炭素やタール(フレーバー由来)の吸入リスクがあります。
虚偽の効能表示は景品表示法などの違反に該当する可能性があるため、メニュー表記やPOPは「ニコチンフリー」「ノンニコ」という事実のみに留めます。
ノンニコシーシャは、法律上「製造たばこ代用品」として「製造たばことみなされ」、ニコチンの有無に関わらずたばこ販売許可が必要です。「ノンニコだから許可が不要」という誤解は危険です。
営業モデルとしては、通常シーシャとノンニコの混在営業が現実的です。ノンニコ専門店は法律上は可能ですが、実際にはほぼ存在しません。採算性や顧客ニーズの観点から、混在営業での開業を検討することをお勧めします。
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