シーシャバーは飲食店営業許可なしで営業できる?

著者:行政書士 猪飼久遠 | シーシャ開業専門の行政書士


「シーシャラウンジ」「シーシャ専門店」として、飲食提供をせず喫煙だけに絞れば飲食店営業許可は不要なのでは?という相談を頻繁に受けます。結論から言うと、シーシャを店内で吸わせて収益化する業態では、ほぼ全てのケースで飲食店営業許可が必要です。本記事では、その理由を喫煙目的施設の3類型から整理し、シーシャラウンジ・シーシャ専門店の現実的な選択肢を解説します。



結論:シーシャを店内で吸わせる業態は飲食店営業許可が事実上必須

シーシャバー・シーシャラウンジを開業する際、シーシャを店内で吸わせる事業モデルでは飲食店営業許可が事実上必須です。理由は、改正健康増進法における「喫煙目的施設」の3類型のうち、シーシャを店内で長時間吸わせるサービスに適合するのが「喫煙を主目的とするバー・スナック等」型しかなく、この類型は飲食店営業が前提だからです。


喫煙目的施設の3類型を理解する

2020年4月施行の改正健康増進法により、原則として屋内施設は禁煙となりました。シーシャを店内で吸わせる例外として認められているのが「喫煙目的施設」で、以下の3類型があります。健康増進法第28条第13号


類型 要件 飲食提供
① 喫煙を主目的とするバー・スナック等 たばこの対面販売をしていること、主食を主として提供しないこと 飲食店営業が前提(主食以外)
② 店内で喫煙可能なたばこ販売店 たばこ又は喫煙器具の販売をしていること、設備を設けて客に飲食をさせる営業を行っていないこと 飲食提供は不可
③ 公衆喫煙所 屋内の全部を専ら喫煙をする場所とする施設 飲食提供は不可


シーシャは1セット1〜2時間かけて吸う嗜好品であり、客が長時間滞留するサービスです。この特性から、シーシャバーは①の「喫煙を主目的とするバー・スナック等」型に該当するのが一般的です。


飲食店営業許可が必要となる根拠

①:喫煙目的施設として認定されるため

シーシャバーがバー・スナック等型で営業する場合、要件として「設備を設けて客に飲食をさせる営業」であることが求められます。つまり飲食店営業許可がなければ、そもそも「喫煙を主目的とするバー・スナック等」として認定されず、店内でのシーシャ提供が違法状態になります。

②:「設備を設けて客に飲食させる営業」は許可業種

食品衛生法では、飲食店営業は「食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業」と定義されています。この営業を行うには、食品衛生法第55条に基づき都道府県知事の許可が必要です。


無許可で営業した場合の罰則は2年以下の禁固刑または200万円以下の罰金です。

②たばこ販売店型という選択肢について

法律上、「店内で喫煙可能なたばこ販売店」という喫煙目的施設の類型があります。この類型では「設備を設けて客に飲食をさせる営業を行わない」という要件のもと、シーシャ提供だけで店内喫煙が認められる可能性があります。


ただし飲食店営業許可取得(バー・スナック等型)を強くおすすめします。理由は2つです。

飲食店営業許可を取った方が手続きが単純

店内で喫煙可能なたばこ販売店でシーシャだけ提供する場合、「『飲食をさせる営業』に該当しないか」という判断が保健所やJTによって異なる可能性があります。一方、飲食店営業許可は手続きが確立されており、許可取得まで約2〜3週間で完結します。

事業の幅が広がり、売上機会が増える

喫煙を主目的とするバー・スナック等であれば、シーシャだけでなくドリンク・軽食も提供できます。これにより客単価が3,500〜4,000円レベルに上がり、客層も広がります。店内で喫煙可能なたばこ販売店では飲食提供がないため、単価が下がり、長時間滞留しても収益化しづらくなります。


業界標準はバー・スナック型

店内で喫煙可能なたばこ販売店という選択肢は法律上あり得ますが、実務的には不確実で、事業としても成立しづらい。名古屋市で飲食店営業許可を取得する手数料は16,000円という安さも考えると、喫煙を主目的とするバー・スナック等を選ぶのが最適です。


シーシャバー開業の現実的な選択肢

選択肢①:飲食店営業許可を取って「バー・スナック等」型で営業(強く推奨)

最も現実的で、業界標準の選択肢です。飲食店営業許可を取得し、ドリンク類を提供しつつシーシャを楽しんでもらうスタイル。「シーシャラウンジ」「シーシャ専門店」を名乗っている店舗のほぼ全てがこのパターンです。


必要な許可は以下の3つです。
・飲食店営業許可(保健所)
・たばこ出張販売許可(または小売販売許可)
・深夜0時以降も営業する場合は深夜酒類提供飲食店営業開始届出


メリット:手続きが確立されている / 実例が豊富 / ドリンク提供で客単価が上がる / 経営ノウハウが蓄積されている

選択肢②:「たばこ販売店」型で営業(法律上は可能だが現実的には難しい)

店内で飲食提供を一切せず、たばこ販売とシーシャ提供のみを行うスタイル。法律上は可能ですが、以下の理由から業界では選ばれていません。


実例がない:シーシャ屋でこの営業方式を採用している店舗がほぼ存在しない
手続きが不確実:「飲食をさせる営業を行わない」という要件の判断が保健所によって異なる可能性がある
事業として成立しづらい:飲食提供がないため客単価が低い / 長時間滞留しても売上が限定的


この方式を検討する場合は、事前に管轄の保健所に相談し、許可取得の可能性を確認する必要があります。

選択肢③:「公衆喫煙所」型で営業

屋内全部を喫煙場所とする施設。飲食提供は完全に不可能であり、シーシャを長時間楽しむサービスモデルとは合わない業態です。



結論:シーシャを店内で吸わせる業態の99%は喫煙を主目的とするバー・スナック等


シーシャバー、シーシャラウンジ、シーシャ専門店、シーシャカフェなど名称は様々ですが、店内でシーシャを吸わせて収益化する業態のほぼ全てが、飲食店営業許可を取得した「バー・スナック等」型の喫煙目的施設として営業しています。


飲食店営業許可の取得は決して難しくない

「飲食店営業許可を取らずに済ます方法」を探すよりも、許可を取得する方が圧倒的に現実的です。名古屋市の場合、申請手数料は16,000円です。


飲食店営業許可の主な要件

・食品衛生責任者の設置(1日講習で取得可、愛知県は約10,000円)
・施設の構造設備基準を満たすこと(シンク・冷蔵庫・換気設備など)
・保健所への申請と立入検査
・申請手数料:名古屋市16,000円
・申請書は営業開始予定日の20日前までに提出


シーシャバーに必要な飲食店営業許可についての記事はこちらで詳しく解説しています。


まとめ:飲食店営業許可の取得もサポートします

シーシャを店内で吸わせて収益化する業態では、飲食店営業許可が事実上必須です。
改正健康増進法の喫煙目的施設の3類型のうち、シーシャの長時間滞留型サービスに適合するのは「喫煙を主目的とするバー・スナック等」型のみであり、この類型は飲食店営業が前提となっているからです。


「シーシャラウンジ」「シーシャ専門店」と看板を掲げる店舗のほぼ全てが、実態としては飲食店営業許可を取得した通常のシーシャバーです。許可取得のコストは申請手数料16,000円程度(名古屋市)と決して高くないため、合法的に運営することを強くおすすめします。


飲食店営業許可の取得もサポートします
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