著者:行政書士 猪飼久遠 | シーシャバー開業専門
「シーシャの料金は取らず、VIPルーム使用料金にシーシャ提供を含める」という業態のご相談を受けることがあります。一見うまい許可回避の方法に見えますが、実際はたばこ販売許可も風営法も回避できないのが結論です。論点を整理します。
料金体系を変えても、シーシャを店内で提供する行為には、たばこ販売許可・飲食店営業許可が必要です。さらにVIPルームの構造によっては、風営法上の追加の許可が必要になる場合があります。
「シーシャは無料提供」「VIPルーム代に込み」という料金体系にしても、たばこ販売許可は必要です。店内料金にシーシャ提供が含まれている場合や、シーシャを客に吸わせる行為が営業目的に含まれる場合は、「販売行為」とみなされるからです。
無償提供でも実質的にサービスの一部として提供している時点で許可が必要、という判断です。料金の建付けを変えてもこのルールは適用されます。
風営法では、「他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが5㎡以下の客席」を設けて飲食をさせる営業は、風俗営業(3号営業)の許可が必要 です。
風俗営業に該当するかの目安
・他から見通せない構造(個室・仕切り) かつ
・客席の広さが5㎡以下
両方を満たすと風俗営業(3号営業)に該当する可能性があります。
風俗営業に該当した場合、深夜0時以降の営業ができなくなるなど、シーシャバー業態とは相性の悪い制約が増えます。VIPルームを設計する段階で、面積と見通しの両方を確認しておくことが必須です。
VIPルームに関連してよくある誤解が「スタッフが個室に入ると接待になるのでは」というものです。実際は、シーシャの調整・炭替え・フレーバー説明など、飲食提供(シーシャ提供)に必要な業務として入室し、速やかに退室する行為は「接待」に該当しません。
風営法上の「接待」は、特定の客の隣に座って継続的に会話する、お酌をする、カラオケでデュエットするなど、特定客への歓楽的なもてなしを指します。
⚠️ ただし、個室に滞在して会話・同席するのはNG
シーシャの調整後にスタッフが個室に居座り、客と継続的に会話したり、同席して飲食したりすると「接待」と判断されます。この場合は風俗営業1号営業の許可が必要となり、無許可の場合は2025年6月28日施行の改正風営法により、5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(法人は3億円以下の罰金)のリスクがあります。
VIPルーム料金にシーシャを含める営業形態は、たばこ販売許可・飲食店営業許可は回避できないのが原則です。さらにVIPルームの構造(5㎡以下+見通し困難)によっては風営法3号営業に該当する可能性もあります。シーシャ調整での入室は接待にあたりませんが、個室に居座って会話するのは接待リスクがあります。VIPルームを設計する前に、警察署・保健所・財務局への事前相談をおすすめします。