この記事を書いた人/行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県稲沢市を拠点に、シーシャバーの開業支援を取り扱っています。約2年半のシーシャバー勤務経験があります。
深夜0時以降も営業するシーシャバーには、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要です。この届出には期限があり、間に合わなければオープン日に深夜営業ができません。
ポイントは、この届出には飲食店営業許可が前提として必要で、そこから逆算すると1か月では足りないことがあるという点です。
この記事では、期限と手続きの順番、余裕を持つべき理由を整理します。
深夜酒類提供飲食店営業の届出は、営業を開始しようとする日の10日前までに、店舗所在地を管轄する警察署の生活安全課へ提出します。手数料はかかりません。
出典:愛知県警察「深夜における酒類提供飲食店営業の営業開始届出手続」(2026年9月時点)
重要なのは、10日前に「受理」されている必要があるという点です。書類に不備があれば受理されず、その分だけ後ろにずれます。
書類の不備、警察署の窓口の状況、土日祝日の影響で、受理日は想定よりずれることがあります。
2〜3週間前を目安に動くことをおすすめします。とくに図面は差し戻しが起きやすい書類です。
深夜酒類の届出は、飲食店営業許可を取得した後でなければ進められません。手続きの順番は次のようになります。
| 順番 | 手続き | 目安期間 |
|---|---|---|
| ① | 保健所(名古屋市は保健センター)に飲食店営業許可を申請・取得 | 愛知県は標準処理期間10日/名古屋市は営業開始予定日の20日前までに申請 |
| ② | 警察署に深夜酒類の届出を提出 | 営業開始の10日前まで |
| ③ | 届出から10日経過後に深夜営業を開始できる | — |
飲食店営業許可の取得だけで2週間前後かかります。そこから届出を出して10日待つ必要があるため、オープン日から逆算して最低1か月前には動き始めてください。
【実務上のポイント】
許可日から許可書が交付されるまでには、さらに1〜2週間かかることがあります。深夜酒類の届出で飲食店営業許可書の写しを求められる場合、この交付待ちがそのまま遅延になります。
保健センターで「申請中証明書」を交付してもらい、これを添付して届出をする方法が取れる場合もありますが、受け付けない警察署もあります。必ず事前に所轄警察署へ確認してください。詳しくはシーシャバーの飲食店営業許可の記事をご覧ください。
ここまでは深夜酒類の届出だけを見た話です。シーシャバーの場合、本当のボトルネックは別にあります。
▶たばこ販売許可/標準処理期間は「受理した日の属する月の末日から2月以内」
▶飲食店営業許可/10日〜20日
▶深夜酒類の届出/営業開始の10日前まで
▶消防関係の届出/期限は市町村の火災予防条例による
たばこ販売許可だけが2か月かかり、他と桁が違います。深夜酒類の届出に間に合っても、たばこ販売許可が下りていなければ店内でシーシャを提供できません。
開店日はたばこ販売許可から逆算し、深夜酒類の届出はそこに合わせると考えてください。全体の流れはシーシャバー開業に必要な許可まとめで解説しています。
届出をせずに深夜に酒類を提供した場合、風営法違反として罰則の対象になります。また、行政処分として営業の停止を命じられることもあります。
【実務上のポイント】
より深刻なのは、接客が「接待」に当たると評価された場合です。その場合は届出の問題ではなく、風俗営業の無許可営業となり、2025年改正後は5年以下の拘禁刑もしくは1千万円以下の罰金(法人は3億円以下)という重い法定刑が定められています。
シーシャバーはスタッフが客席に近づく回数が多い業態です。判断基準は接待の境界線を解説した記事で確認してください。
期限に間に合っても、次の場合は受理されません。
▶営業所が第一種地域(7つの用途地域)にある
▶客室の床面積が9.5㎡未満(客室が1室のみの場合を除く)
▶照度が20ルクス以下になる構造・設備
▶客室の内部に見通しを妨げる設備がある
これらは期限とは別の問題で、直前に気づいても直せません。物件の用途地域は出店できないエリアの記事、構造の条件は深夜酒類提供飲食店営業届出の記事と個室の面積基準の記事で確認してください。
日数の数え方は所轄によって確認が必要です。いずれにせよ、土日祝日をまたぐ場合は余裕が必要になります。ぎりぎりの計算で組まず、2〜3週間前を目安に動いてください。
できます。飲食店営業許可があれば、午前0時前までの営業は始められます。深夜酒類の届出が受理されるのを待つ間、先に昼〜夜の営業を開始してオペレーションを慣らしておくのは現実的な進め方です。ただし、店内でシーシャを提供するにはたばこ販売許可が別途必要です。
営業所の構造や設備の概要に変更があった場合、変更届の提出が必要です(軽微な変更を除く)。背の高い什器を後から入れると、届出時の構造と変わってしまう可能性があります。変更届は変更のあった日から10日以内が原則です。
▶深夜酒類の届出は、営業開始の10日前までに警察署の生活安全課へ
▶10日前に「受理」されている必要がある。不備があればずれる
▶飲食店営業許可の取得が前提。許可書の交付待ちも計算に入れる
▶オープン日から逆算して最低1か月前には動き始める
▶ただしシーシャバーの本当のボトルネックはたばこ販売許可(2か月)
▶期限に間に合っても、用途地域や構造の条件を満たさなければ受理されない
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