この記事を書いた人/行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県稲沢市を拠点に、風俗営業許可、深夜酒類提供飲食店営業開始届出、飲食店営業許可など、飲食・接客業の開業手続を取り扱っています。
「営業の方法」は、あなたの店がどう営業するかを警察に申告する書面です。
項目数は多くありませんが、ここに書いた内容がそのまま店の運用ルールになります。書いてから実態を合わせるのではなく、実際にできることを書いてください。
この記事では、別記様式第48号の各項目について、何をどう書くのか、どこで判断を誤りやすいのかを順に解説します。
▶営業所の名称/営業所の所在地
▶営業時間
▶18歳未満の者を従業者として使用すること(する・しない)
▶18歳未満の者を客として立ち入らせること(する・しない)
▶飲食物(酒類を除く)の提供(する・しない)
▶酒類の提供(種類および提供の方法/20歳未満の者への酒類の提供を防止する方法)
▶客に遊興をさせる場合はその内容および時間帯
▶当該営業所において他の営業を兼業すること(する・しない)
出典:愛知県警察「各種申請届出様式」別記様式第48号(風営法施行規則第103条関係)
用紙のサイズはA4、所定の欄に書ききれない場合は別紙に記載して添付する、と様式の備考に定められています。
届出書から転記します。届出書・営業の方法・飲食店営業許可証の3つで、店名と住所が一致していなければなりません。
建物の一部を借りている場合は、部屋番号まで記載してください。
開店時刻から閉店時刻までを記載します。
深夜酒類提供飲食店営業には、風営法上の営業終了時刻の制限がありません。理屈のうえでは24時間営業も可能です。
【実務上のポイント】
ここで書くのは実際に営業する時間です。書いた時間と実態が違えば説明を求められます。
迷いやすいのが「ラストオーダーと閉店時刻をどう扱うか」です。客が退店し営業を終える時刻を閉店時刻として記載するのが自然です。曜日によって営業時間が変わる場合は、その旨も分かるように書いてください。
| 欄 | 「する」を選んだ場合に書くこと |
|---|---|
| 18歳未満の者を従業者として使用すること | その者の従事する業務の内容(具体的に) |
| 18歳未満の者を客として立ち入らせること | 保護者が同伴しない18歳未満の者を客として立ち入らせることを防止する方法 |
風営法第32条第3項により、飲食店営業を営む者は、午後10時から翌日の午前6時までの時間において、18歳未満の者を客に接する業務に従事させ、又は客として立ち入らせることが禁止されています(施行規則第102条に規定する営業には適用されません)。
つまり、深夜に営業する店で18歳未満のスタッフを接客に入れることはできません。「する」と書けるかどうかは、業務の内容と時間帯によって変わります。18歳未満の方を雇用する予定があるなら、従事させる業務と時間帯を整理したうえで記載してください。
出典:風営法第32条第3項/同法施行規則第102条
年齢に関する規制の詳細は飲食店の深夜営業と18歳未満の記事で解説しています。
様式の備考には、記載方法が具体的に示されています。
▶飲食物(酒類を除く)/提供するもののうち主なものの種類と、提供の方法(調理の有無、給仕の方法等)
▶酒類/提供する酒類(ビール、ウイスキー、日本酒等)のうち主なものの種類と、提供の方法(調理の有無、給仕の方法等)
提供する飲食物の種類及び提供の方法
サラダ、チーズ盛り合わせ、ナッツ、ピザ等。あらかじめ調理した料理を、カウンターまたはテーブルで提供する。
提供する酒類の種類及び提供の方法
ビール、ウイスキー、焼酎、日本酒、ワイン、カクテル等。メニュー表の品名を、客の求めに応じてカウンターまたはテーブルで提供する。
全メニューを列挙する必要はありません。「主なものの種類」が分かるように書いてください。
この欄は、実際に店で行う運用を書く欄です。「年齢確認をする」とだけ書くのではなく、具体的に書いてください。
店内の見やすいところに、10センチメートル×25センチメートル程度の「20歳未満のお客様へのお酒の提供はお断りします」と書いた掲示を行うとともに、身分証明書の提示を求めて年齢を確認する。
【実務上のポイント】
掲示物の大きさまで書いておくと、運用が具体的になり、スタッフへの指示もしやすくなります。
ここに書いた内容は、そのまま店の運用ルールになります。書いた以上は、実際に掲示を行い、年齢確認を実施してください。開店前に掲示物を用意しておくことをおすすめします。
様式には「客に遊興をさせる場合はその内容及び時間帯」という欄があり、遊興の内容と時間帯を記載するようになっています。
深夜(午前0時から午前6時まで)に客へ遊興をさせ、かつ酒類を提供する営業は、特定遊興飲食店営業に該当し、公安委員会の許可が必要になります。深夜酒類提供飲食店営業の届出では営めません。
つまり、この欄に書けるのは、午前0時までの時間帯に行う遊興だけです。時間帯の欄があるのはそのためです。深夜にかかる時間帯を書けば、必要な手続きが違うという話になります。
様式の備考では、遊興の内容欄について遊興の種類(ダンス、ショー、生演奏、ゲーム等)、これを行う方法(不特定の客に見せる、聞かせる等。カラオケ、楽器等を利用して遊興させる場合は、その利用方法)を記載するとされています。
遊興の内容
毎月第2土曜日に、ギター演奏を客席の近くで行い、不特定の客に聴かせる。
時間帯
午後8時00分から午後11時00分まで
なお、警察庁の解釈運用基準では、単にテレビの映像や録音された音楽を流すような場合は、営業者側の積極的な行為には当たらないとされています。BGMを流すこと自体は遊興ではありません。
出典:風営法第2条第11項、第31条の22/警察庁「解釈運用基準」(令和7年5月30日付け通達)第10中2
どこからが遊興に当たるのかは、カラオケ・DJ・ライブができるかを解説した記事と特定遊興飲食店営業との違いの記事で詳しく整理しています。
同じ営業所で別の営業も行う場合は、「する」を選び、その営業の内容を記載します。昼間は別業態のカフェとして営業する、物販を併設する、といったケースがこれに当たります。
兼業の内容によっては別の許可や届出が必要になることもありますので、該当する場合は届出前に確認してください。
法定書類ではありませんが、「営業の方法」の別紙としてメニュー表の添付を求められることが多いです。この様式にメニューを書ききれるのであれば、別紙は不要です。
▶チャージ、セット料金などのシステム料金を記載する
▶個別の飲食代金を記載する
▶いずれも税込の総額で表示する
▶「時価」「応相談」といった表記は避け、金額を明記する
様式の備考では「主なものの種類」を記載するとされています。全メニューを列挙する必要はありません。提供する飲食物と酒類のおおまかな種類と、その提供方法が分かるように書いてください。詳細は別紙のメニュー表で示します。
愛知県警察が変更届の対象として案内しているのは、氏名または名称および住所(法人はその代表者氏名)、営業所の名称、営業所の構造および設備の概要(軽微な変更を除く)です。営業時間はこの3つに含まれていません。
ただし、営業時間の変更が営業実態と届出内容の食い違いを生むことは確かです。大きく変更する場合は、届出先の警察署に確認してください。
深夜酒類提供飲食店営業では接待を行うことができないためです。接待をするなら風俗営業(接待飲食等営業)の許可が必要であり、届出では営めません。この様式に接待の記載欄が存在しないこと自体が、その前提を示しています。詳しくは風俗営業許可との違いを整理した記事をご覧ください。
様式の備考に、所定の欄に記載し得ないときは、別紙に記載の上、これを添付することと定められています。無理に小さな文字で詰め込むより、別紙にして読みやすくするほうが適切です。用紙の大きさはA4です。
▶「営業の方法」は別記様式第48号。愛知県警察のホームページからダウンロードできる
▶営業所の名称・所在地は、届出書と飲食店営業許可証に一致させる
▶深夜酒類提供飲食店営業に営業終了時刻の制限はなく、24時間営業も可能
▶18歳未満の従業者・客の欄は、風営法第32条第3項の規制(22時〜翌6時)と直結する
▶飲食物と酒類は「主なものの種類」と提供の方法を書く
▶20歳未満への提供防止は、掲示の大きさまで含めて具体的に書く
▶遊興の欄に書けるのは午前0時までの時間帯。深夜の遊興は特定遊興飲食店営業の許可が必要
▶メニュー表は法定外だが求められることが多い。税込総額で金額を明記する
▶接待の欄がないのは、届出では接待ができないから
「営業の方法」は書類としては1枚です。しかしここに書いた内容が、そのまま店の運用ルールになります。実際にできる運用を書いてください。
「営業の方法」の作成もお任せいただけます。営業形態をお聞きしたうえで、実態に合った内容に整えます。