この記事を書いた人/行政書士久遠事務所 代表 猪飼久遠(行政書士/登録番号26191514)
愛知県稲沢市を拠点に、風俗営業許可、深夜酒類提供飲食店営業開始届出、飲食店営業許可など、飲食・接客業の開業手続を取り扱っています。
深夜酒類提供飲食店営業の届出に、申請手数料はかかりません。
これは許可ではなく届出だからです。かかるのは住民票などの証明書の実費と、依頼する場合の報酬だけです。
一方で、風俗営業許可や特定遊興飲食店営業許可は許可制であり、こちらには申請手数料が必要になります。この記事では、深夜酒類提供飲食店営業の届出にかかる費用を個人・法人別に整理し、あわせて開業全体で見込んでおきたい費用も確認します。
▶深夜酒類提供飲食店営業の届出/申請手数料なし
▶かかるのは証明書の取得実費(数百円〜数千円)
▶行政書士に依頼する場合は、これに報酬が加わる
▶飲食店営業許可(保健所)には別途、許可申請の手数料がかかる
愛知県警察が公開している深夜における酒類提供飲食店営業の営業開始届出手続の案内にも、手数料に関する記載はありません。風俗営業のように公安委員会の審査を経て許可を受ける手続きではないためです。
出典:愛知県警察「深夜における酒類提供飲食店営業の営業開始届出手続」/風営法第33条
届出のために取得する書類と、その実費の目安です。
| 書類 | 実費の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 営業開始届出書 | 無料 | 愛知県警察のホームページから様式をダウンロードできます |
| 営業の方法を記載した書面 | 無料 | 同上 |
| 営業所の平面図 | 自作なら無料 | 作図を外注する場合は別途費用がかかります |
| 住民票(本籍記載) | 300円程度 | 市町村により異なります。法人は役員全員分 |
| 登記事項証明書(法人) | 書面請求1通600円 | オンライン請求のほうが低額になります |
| 定款の写し(法人) | コピー代のみ | 手元にない場合は、公証役場等での取得費用がかかります |
出典:法務省「登記手数料について」/住民票の交付手数料は各市町村の条例による
つまり、個人事業で自分で手続きをする場合、実費は住民票1通分だけということになります。法人の場合は役員の人数に応じて住民票が増え、登記事項証明書が加わります。
【実務上のポイント】
費用面で見落とされやすいのが図面の作成コストです。届出書と「営業の方法」は様式が用意されていますが、営業所の平面図は自分で作る必要があります。
内装業者から施工図面をもらえる場合は、それを基に作成できるので手間が大きく減ります。物件を契約して工事を発注する段階で、「届出用に図面データがほしい」と伝えておいてください。後から依頼すると、有償になったり対応してもらえなかったりします。
図面に記載すべき内容は図面の書き方を解説した記事にまとめています。
接待を行う場合や、深夜に客へ遊興をさせる場合は、届出ではなく許可が必要になります。許可制の手続きには申請手数料がかかります。
| 手続き | 区分 | 手数料 |
|---|---|---|
| 深夜酒類提供飲食店営業 | 届出 | 不要 |
| 風俗営業(接待飲食等営業など) | 許可 | 24,000円 |
| 特定遊興飲食店営業 | 許可 | 24,000円 |
出典:愛知県警察「風俗営業の許可申請手続」「特定遊興飲食店営業の許可申請手続」(パチンコ店以外の風俗営業の場合)
接待をするなら風俗営業(接待飲食等営業)の許可、深夜に遊興をさせるなら特定遊興飲食店営業の許可が必要です。これらは許可申請であり、申請手数料が必要になります。
「届出だから安く済む」と考えて予算を組んだが、実際には許可が必要な業態だったというケースが最も費用面のダメージが大きくなります。営業形態を先に確定させてください。
自分の店がどの区分に当たるかは、届出が必要な店・不要な店を解説した記事と風俗営業許可との違いを整理した記事で確認できます。
深夜酒類提供飲食店営業の届出は、開業手続きの一部にすぎません。バーや居酒屋を開業する場合、全体としては次の費用が発生します。
▶飲食店営業許可の申請手数料(保健所。金額は許可権者により異なります)
▶食品衛生責任者の養成講習会の受講料(資格保有者がいない場合)
▶物件取得費用(保証金・礼金・仲介手数料・前家賃)
▶内装工事費・設備費
▶消防関係の手続に伴う費用(建物の用途・規模により異なります)
▶法人設立費用(法人で開業する場合)
飲食店営業許可の申請手数料は、名古屋市・豊橋市・豊田市・岡崎市は各市、それ以外の市町村は愛知県が定めています。金額は申請先で確認してください。
届出そのものは、手数料がかからず書類の点数も多くありません。それでも依頼が多いのは、次のような理由です。
▶営業所の平面図を作る時間と技術がない
▶自分の営業形態が届出でよいのか確信が持てない
▶開店日が決まっていて、書類不備でやり直す余裕がない
▶開店準備で手が回らず、平日昼間に警察署へ行けない
【実務上のポイント】
費用対効果で判断するなら、「自分でやった場合に何回警察署へ行くことになりそうか」を基準にしてみてください。窓口は平日の日中のみです。開店準備の時期に平日を何日か空けられるなら自分で進められますし、そこが厳しいなら依頼を検討する意味があります。
また、営業形態の判断に迷いがある場合は、書類作成より先にその点だけでも相談してください。区分を誤ったまま届出をすると、後から無許可営業を問われるおそれがあります。
【当事務所の報酬】
深夜酒類提供飲食店営業の届出については、愛知県警察の案内に手数料の記載がありません。証紙・印紙を用意する必要はない手続きです。ただし、登記事項証明書を書面で請求する場合は、収入印紙で手数料を納めます。
深夜酒類提供飲食店営業の届出に有効期間や更新の制度はありません。営業を続ける限り、届出は有効なままです。ただし、届出事項に変更があったときは変更届、営業をやめたときは廃止届が必要です。いずれも手続きの詳細は変更届・廃止届の記事をご覧ください。
届出手数料は同じく不要です。実費については、すでに愛知県内で届出をして営業している場合、申請者に関する書類の一部を添付しなくてよいとされているため、住民票などの取得費用が抑えられる可能性があります。省略できる範囲は届出先の警察署に確認してください。
▶深夜酒類提供飲食店営業の届出に申請手数料はかからない
▶実費は住民票(300円程度)と、法人の場合の登記事項証明書(書面請求1通600円)が中心
▶届出書と「営業の方法」の様式は愛知県警察のホームページから無料でダウンロードできる
▶営業所の平面図は自作。内装業者から図面データをもらえると作成が楽になる
▶接待をする場合の風俗営業許可、遊興をさせる場合の特定遊興飲食店営業許可は、いずれも24,000円
▶飲食店営業許可の手数料は別途必要。許可権者は名古屋市・豊橋市・豊田市・岡崎市とそれ以外で分かれる
▶届出に有効期間・更新はないため、更新費用も発生しない
費用面で最も大きなリスクは、届出の実費ではなく営業形態の判断を誤ることです。届出で足りると思っていた営業が実は許可制だった場合、手続きも費用もやり直しになります。
「届出でよいのか、許可が必要なのか」の判断からご相談いただけます。お見積りは無料です。