この記事の執筆者:行政書士久遠事務所
愛知・名古屋エリアを中心に風営法許可申請を専門に取り扱う行政書士事務所です。風俗営業許可・特定遊興飲食店営業許可・深夜酒類提供飲食店営業届出など、開業に関わる各種申請を専門にサポートしています。


風俗営業許可は取って終わりではありません。営業を続けるうえで発生する義務のひとつが管理者講習です。


許可取得から数年が経ち、案内が届いて初めて存在を知る、というケースが少なくありません。とくに2025年の法改正で接待飲食営業の遵守事項が追加されたことにより、講習で扱う内容の重みは増しています。


この記事では、管理者講習の位置づけと、実務上の注意点を整理します。



管理者講習とは

風営法第24条第5項は、次のように定めています。


公安委員会は、風俗営業者に対し、その管理者に講習を受けさせることを求めることができる


つまり、受講の主体は管理者ですが、受けさせる義務は営業者にあります。「本人が忙しくて行けなかった」では済まされない構造になっています。


2種類あります

種類 対象
定期講習 選任されている管理者が、定期的に受講するもの
処分に伴う講習 営業者が指示処分等を受けた場合に、管理者が受講するもの


後者は、行政処分を受けたことに伴って行われるものです。処分の内容に応じて受講が求められます。


受講の時期

定期講習の実施時期や周期は、公安委員会が定めるところによります。


受講の対象となる方には、公安委員会から案内が届きます。具体的な日程・会場・申込方法・手数料は、その案内に記載されています。


案内は、営業所として届け出ている所在地宛てに送られます。移転や名称変更をしたのに変更手続をしていないと、案内が届かないおそれがあります。変更があったときは、その都度きちんと手続をしておいてください。


最新の実施予定については、愛知県警察「風営」のページや、営業所を管轄する警察署の生活安全課でご確認ください。都道府県によっては、防犯協会等の団体に委託して実施されています。


講習で扱われる内容

講習の内容は、実施基準として定められています。おおむね次の2本柱です。


風営法の仕組み、禁止行為等に関する事項
管理者の業務、義務に関する事項
(ぱちんこ等営業の管理者の場合)遊技場営業の管理に関する事項


・2025年改正の内容が中心になります
接待飲食営業(1号営業)については、料金に関する虚偽説明、客の恋愛感情等につけ込んだ飲食等の要求、客が注文していない飲食等の提供が遵守事項として追加され、威迫による支払要求と売春等の要求には罰則が設けられました。


さらに、接客従業者の指名数や売上額を殊更に強調する広告が規制対象になること、店内の掲示も構造設備の基準に関わることが明確化されています。形式的に受けるのではなく、自店の運用を点検する機会として活用してください。改正の全体像は2025年(令和7年)風営法改正まとめで解説しています。


受講しないとどうなるか

公安委員会からの求めに応じて管理者に講習を受けさせなかった場合、営業者の法令遵守の姿勢が問われることになります。


・処分の判断材料になります
風営法違反があった場合、行政処分の内容は個別に判断されます。講習を受けさせていない状態は、店として法令遵守の体制が整っていないことの表れと見られかねません。


「忙しくて行けなかった」で済ませず、案内が届いたら日程を確保してください。


管理者が変わったときの注意

管理者を変更したときは、変更届出が必要です
届出をしていないと、公安委員会が把握している管理者と実際の管理者が食い違います
その結果、すでに退職した人に講習の案内が届くということが起こります


店長の交代が多い業態ほど、この管理が疎かになりがちです。管理者の変更は、その都度手続をしてください。管理者の要件と届出については風俗営業の管理者とは|選任の要件と法律上の義務をご覧ください。


実務上のポイント

案内が届く住所を正しく保ってください。営業所の移転・名称変更をしたら、必ず手続をしてください
管理者の変更届を放置しないでください。案内が届かない原因になります
案内が届いたら、すぐ日程を確保してください。会場と日程は限られています
受講の記録を残してください。修了証明書は保管しておいてください
2025年改正の内容を、講習前後に自店に落とし込んでください。注文確認のルール、料金表示、店内掲示の3点が要点です
複数店舗を運営している場合は、店舗ごとに管理を分けてください。管理者は営業所ごとです


まとめ

公安委員会は、風俗営業者に対し、管理者に講習を受けさせることを求めることができる(法第24条第5項)
受講するのは管理者だが、受けさせる義務は営業者にある
定期講習と、処分に伴う講習の2種類がある
内容は風営法の仕組み・禁止行為と、管理者の業務・義務
受講の案内は届出上の営業所宛てに届く。変更手続を怠ると届かない
2025年改正の遵守事項・禁止行為が重要な論点になっている


管理者講習は、許可を取った後に発生する義務の代表格です。開業のときだけでなく、その後の維持管理まで含めて手続を把握しておくことが、安定した営業につながります。


当事務所では、許可取得後の変更手続や維持管理のサポートも承っています。「案内が届いたが何をすればよいか分からない」というご相談も歓迎です。


【行政書士久遠事務所】
風営法許可の要否判定から申請・取得・更新・変更届まで、
風俗営業に関わる各種手続きをワンストップでサポートします。

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