4号営業とは|雀荘・パチンコ店に必要な風俗営業許可

この記事の執筆者:行政書士久遠事務所
愛知・名古屋エリアを中心に風営法許可申請を専門に取り扱う行政書士事務所です。風俗営業許可・特定遊興飲食店営業許可・深夜酒類提供飲食店営業届出など、開業に関わる各種申請を専門にサポートしています。


風営法の4号営業は、雀荘(マージャン店)やパチンコ店が対象です。飲食を伴わない業態のため見落とされがちですが、接待飲食営業と同じく公安委員会の許可が必要な風俗営業です。


一方で、麻雀を教授する形態の営業については、規制の対象としない扱いが示されています。この区別を知らずに開業計画を立てると、必要な手続を見誤ります。


この記事では、4号営業の範囲と、開業にあたって押さえておくべき規制を整理します。



4号営業とは

風営法第2条第1項第4号は、次のように定めています。


まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業


警察庁の解釈運用基準は、この規定の趣旨を「ぱちんこ等営業を風俗営業とすることにより、その健全化と業務の適正化を図る」ことにあると説明しています。


愛知県警察は、4号営業を「マージャン店・パチンコ店等」と呼んでいます。許可証には、営業の種類に応じて「マージャン店」「パチンコ店等」「その他遊技場」のいずれかが記載されます。


4号営業は3つに分かれます

類型 許可証の記載 遊技機の規制
まあじやん屋 マージャン店 対象外
ぱちんこ屋及び政令で定める営業 パチンコ店等 対象(認定・検定)
上記以外(射的、輪投げ等) その他遊技場 対象外


射的や輪投げをさせる営業も4号営業に当たりますが、遊技球等の数量や数字で遊技の結果を表示する遊技機を用いる営業ではないため、遊技機に関する規制の対象にはなりません。手数料も、パチンコ店等の計算式ではなく通常の24,000円です。


麻雀を教授する営業の扱い

ここが、雀荘の開業を考える際に必ず確認すべき点です。解釈運用基準は次のように述べています。


客にまあじやんをさせる営業のうち、常態としてまあじやんを教授する者の指導及び管理の下に客を置く措置が適切に講じられていると認められる場合には、当面、賭博等の問題が生じないかどうかを見守ることとし、規制の対象としない扱いとする


いわゆる麻雀教室型の営業を想定した扱いです。ただし「常態として」「指導及び管理の下に客を置く措置が適切に講じられている」という要件は軽くありません。看板を「麻雀教室」に変えれば足りるというものではなく、実際の運営体制が問われます。


この扱いに当たるかどうかは、具体的な運営方法を示して所轄の警察署に確認してください。自己判断で許可を取らずに営業すると、無許可営業のリスクを負います。
(参照: 警察庁「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」第4中1)


パチンコ店の遊技機規制

ぱちんこ屋等については、遊技機そのものが規制の対象になります。


設置できるのは、検定を受けた型式に属する遊技機又は認定を受けた遊技機
申請時に、遊技機が検定を受けた型式に属することを証する書類等の添付が必要
遊技機の増設・交替、部品の変更には、公安委員会の承認又は届出が必要


承認が必要な変更と届出で足りる変更

【承認が必要】遊技機の性能に影響を及ぼすおそれがある部品の変更
遊技くぎ、役物その他の遊技球と接触する可能性のある遊技盤上の構造物
主基板、発射装置、遊技機枠


【届出で足りる(軽微な変更)】
遊技球等の受け皿
遊技機の前面のガラス板等
遊技機の鍵


【届出も不要】
同一規格の範囲内で行う同色のランプ、蛍光灯、ヒューズの更新


賞品提供の規制

遊技場営業を営む者には、賞品の提供について厳格な規制があります。


現金又は有価証券を賞品として提供してはなりません
提供した賞品を買い取ってはなりません
遊技球等を客に営業所の外に持ち出させてはなりません
客が獲得した遊技球等の数量を書面その他の物に記録して保存してはなりません


・「等価の物品」の意味
解釈運用基準は、賞品として提供できる「等価の物品」を同等の市場価格を有する物品とし、市場価格を一般の小売店(ディスカウントストア等も含む)における日常的な販売価格と定義しています。特別な割引価格はこれに該当しません。


なお、法第23条第1項第1号の「有価証券」に金地金は含まないとされています。


会員カード等で営業所内のコンピュータにより獲得数量を管理する場合、当該数量を会員カード等に電磁的方法その他の方法により記録することをしないものは、禁止される「書面」に当たらない扱いとされています。


営業時間|パチンコ店等は別扱いです

ここは他の風俗営業と異なる点です。


営業 愛知県で営業できない時間
マージャン店・その他遊技場 午前0時から午前9時まで
パチンコ店等 午後11時から午前9時まで


愛知県の条例により、パチンコ店等については、深夜の制限に加えて午後11時から午前0時前までの時間も営業できません。他の風俗営業より1時間早く終業する必要があります。


営業時間の全体像は飲食店の営業時間は風営法でどう決まる?業態別の深夜営業ルールをご覧ください。


手数料の計算

4号営業のうち、パチンコ店等だけが手数料の計算方法が異なります。


営業の種類 手数料
パチンコ店(回胴式遊技機専門店を含む) 25,000円+2,800円+40円×遊技機台数
マージャン店、その他遊技場 24,000円


遊技機の台数が多いほど手数料が上がる構造です。たとえば200台なら、25,000円+2,800円+8,000円=35,800円という計算になります。
(参照: 愛知県警察「風俗営業の許可申請手続」


費用の内訳は風俗営業許可の費用|手数料・実費・行政書士報酬の内訳で解説しています。


年少者に関する規制

18歳未満の者を客に接する業務に従事させることはできません
18歳未満の者を客として営業所に立ち入らせることはできません
18歳未満の者が営業所に立ち入ってはならない旨を、営業所の入口に表示する必要があります(法第18条)


解釈運用基準は、「客として立ち入らせる」とは、飲食、遊興又は遊技をする客として立ち入らせることをいい、18歳未満の者を営業所に単に立ち入らせることをもって直ちに違反になるわけではないとしています。例として、親を探しに来た子供を立ち入らせたことをもって直ちに問疑されるものではない、と述べています。


ただし、立ち入っているのを認知したときは、速やかに退出するよう必要な措置を講じる必要があります。


その他の要件

4号営業も風俗営業ですから、共通の要件がかかります。


第一種地域では許可を受けられません
保全対象施設からの距離規制がかかります(1号営業と同じ距離)
欠格事由に該当しないことが必要です
管理者の選任が必要です(ぱちんこ等依存防止対策に関する措置も管理者の業務に含まれます)
標準処理期間は55日


実務上のポイント

麻雀教室型で運営するなら、開業前に所轄へ確認してください。規制対象外の扱いは要件が具体的です。自己判断は避けてください
パチンコ店は営業時間が1時間短いことを前提に計画してください。愛知県では午後11時までです
遊技機の入替えには手続が必要です。承認が必要なものと届出で足りるものを区別して、社内で運用ルールを作っておいてください
賞品の仕入価格に注意してください。「等価」は一般の小売店の日常的な販売価格が基準で、特別な割引価格は該当しません
台数によって手数料が変わります。申請前に台数を確定させてください


まとめ

4号営業=設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
マージャン店、パチンコ店等、その他遊技場(射的・輪投げ等)の3類型
麻雀を教授する者の指導・管理の下に客を置く措置が適切に講じられていれば、規制対象としない扱い
パチンコ店等は遊技機の認定・検定の対象。入替えには承認又は届出が必要
現金・有価証券の賞品提供、賞品の買取り、遊技球等の持ち出しは禁止
愛知県では、パチンコ店等は午後11時から午前9時まで営業できない
手数料はパチンコ店等のみ台数に応じた計算式


雀荘・パチンコ店の開業は、他の風俗営業と共通する部分と、遊技場営業に特有の部分が混在します。物件と営業形態が決まっている段階でご相談いただければ、必要な手続を整理してお伝えできます。


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