この記事の執筆者:行政書士久遠事務所
愛知・名古屋エリアを中心に風営法許可申請を専門に取り扱う行政書士事務所です。風俗営業許可・特定遊興飲食店営業許可・深夜酒類提供飲食店営業届出など、開業に関わる各種申請を専門にサポートしています。
風俗営業許可の申請をすると、書類の審査だけでなく、営業所の実地調査が行われます。
提出した図面と、実際の店舗が一致しているか。構造設備が基準に適合しているか。この2点が確認されます。図面上は問題なくても、現場で食い違いが見つかれば補正になります。
この記事では、実地調査で何が確認されるのかを整理し、事前に自分で点検できるようにします。
愛知県公安委員会の審査基準は、標準処理期間について次のように定めています。
55日を目安として定める。ただし、申請が到達した時点において、当該申請に係る営業所が存在し、実地調査が可能な場合に限る。
内装工事が終わっていない段階で申請しても、55日の目安は適用されません。工事を完了させてから申請するのが基本です。
なお、深夜酒類提供飲食店営業の届出には実地調査がありません。この点が、許可制である風俗営業との大きな違いです。
・提出した求積図のとおりの寸法か
・メジャーやレーザー距離計で実測される
・1号営業なら1室16.5㎡以上(和風9.5㎡以上、客室が1室のみなら制限なし)
・2号営業なら1室5㎡以上
面積は「うちのり」で測られます。壁の内側から内側までです。求積の計算根拠を聞かれたときに、すぐ答えられるようにしておいてください。分割の仕方と各部分の寸法を手元に用意しておくと安心です。
・仕切り、ついたて、カーテンがないか
・高さおおむね1メートル以上の背の高い椅子がないか
・ソファの背もたれ、パーテーション、装飾棚、観葉植物の高さ
図面に書いていない什器が現場にあると、そこで指摘を受けます。調査までに、実際に置く什器をすべて配置し、図面と一致させてください。
店の出入口(営業所外に直接通ずるもの)を除き、客室の扉に鍵が付いていないことが確認されます。既存の建具に鍵が残っていないか、点検してください。
・営業時と同じ状態にして測定される
・1号営業・2号営業は5ルクス以上、3号〜5号営業は10ルクス以上
・調光器(スライダックス等)が設置されていないか
調光器は、設置してあるだけで基準を満たさないと判断されます。調査前に撤去または交換してください。事前に自分で照度計を使って測っておくと、当日慌てません。
1号〜3号営業では、客室の内部が営業所の外部から容易に見通せないことが求められます。エントランスの造作、扉の位置、窓の処理が確認されます。
・露出の多いポスター、写真、装飾等がないか
・接客従業者の指名数、売上額等の営業成績や役職を殊更に強調する掲示がないか
2025年改正に伴い、いわゆるランキングボードの掲示も、この基準に関わることになりました。愛知県では、条例でも「営業行為に関連して、従業者に売上げの競争を強制しないこと」が風俗営業者の遵守事項とされています。店内の掲示物は、調査前に点検してください。
音響設備の設置状況、防音の措置が確認されます。愛知県の数値基準は、地域と時間帯によって異なります(第一種・第二種地域の深夜は40デシベル、第三種〜第五種地域は50デシベル、振動は一律55デシベル)。
これがすべての土台です。間取り、什器の配置、照明の位置、出入口。工事中に変更した箇所が図面に反映されていないと、そこで止まります。
□客室の寸法をうちのりで実測し、求積図と一致しているか確認した
□什器をすべて配置し、図面と一致させた
□ソファ・パーテーション等の高さを測り、1メートル未満であることを確認した
□客室の扉に鍵が付いていないことを確認した
□調光器がないことを確認した
□照度計で客席の各所を実測し、基準を満たしていることを確認した
□店内の掲示物を点検した(ランキング表示等)
□外部から客室が見通せないことを確認した
□工事中の変更がすべて図面に反映されている
□求積の計算根拠を説明できるようにした
・営業所の鍵を持参し、すべての場所を開けられる状態にしておく
・提出した図面一式のコピーを手元に用意する
・求積の計算根拠を答えられるようにしておく
・指摘を受けたら、その場で具体的な是正方法を確認する
指摘があっても、その場で不許可が決まるわけではありません。是正して再度確認を受けられることが一般的です。ただし、そのぶん時間がかかります。事前の点検で防げるものは防いでおくのが得策です。
・ソファの背もたれが高い/既製品は1メートルを超えるものが多い
・調光器が残っている/居抜き物件でとくに多い
・個室の扉に鍵が付いている/居抜き物件で多い
・図面にない棚や観葉植物が置かれている/開店準備で搬入したもの
・面積が図面と数センチ違う/うちのりの測り方の問題
・照度が基準を下回る/間接照明中心の設計で起こりやすい
・工事完了後に申請してください。実地調査ができない状態では標準処理期間の目安が適用されません
・什器をすべて搬入してから調査を受けてください。後から入れたものが基準に触れると、意味がありません
・照度は自分で測っておいてください。数千円の照度計で確認できます
・居抜き物件は、前の店の設備を点検してください。調光器と個室の鍵が残っていることが多い部分です
・求積の計算を手元に用意してください。その場で説明を求められます
・風俗営業許可の申請には実地調査がある(深夜酒類提供飲食店営業の届出にはない)
・標準処理期間55日は、実地調査が可能な状態での申請が前提
・面積はうちのりで実測される。求積の根拠を説明できるようにする
・見通しを妨げる設備、施錠設備、調光器の有無が確認される
・照度は営業時と同じ状態で測定される
・ランキング掲示等も確認の対象になり得る
・図面と現況の一致がすべての前提
実地調査は、準備をしていれば恐れる場面ではありません。逆に、図面の作成を業者任せにしていると、当日答えられない質問が出ます。図面作成から立会いまで対応していますので、不安のある方はご相談ください。
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